アイビー、どうかこんな我儘で意地悪な僕を許して欲しい。多分僕はこれだけじゃ死にきれないだろう。そうだ、僕の罪は何度死んでも償い切れるものじゃない。思い出すだけで吐き気がしてくるよ、流石に君の前でそれは出来ないけどね。君には多大なる迷惑を掛けた。それなのに一緒に生きたいとか、ずっと一緒とか、僕を気遣ってくれて本当に嬉しかった。人間の温かみと言う物にもう一度触れれた気がした。君はもう僕のことを忘れても良いけれど、僕は君の事を永遠に忘れない。
輪になったロープに首を掛ける
この光景、もう何度目だろう
身体が下へ落ちようとするが、
首に掛かったロープが邪魔をする
アイビー、アイビーは何処だ
大きいてるてる坊主を掲げたら
激しい雨も、直ぐ止んだ
多くの民の前で執行するなんて
いつの時代だ馬鹿野郎
アイビー sid
プランと下に向いた腕、死にたくないと藻掻こうとバタつかせていたが今はピンと伸びている足。嘘だ、こんな事絶対に有り得ない、有り得てはいけない。俺はこの人無しでどう生きていけば良い?嫌だ、先に逝かないで、俺を置いて逝かないで、俺も一緒に連れて行って、俺も貴方と一緒の道を歩みたい。貴方はまだ若いじゃないか、あの時二人で出れたかもしれないのにどうして俺だけを庇った?どうして貴方も一緒に生き無かった?頭が痛い、酷く混乱する。
持ち込みのカメラであなたさんの死骸を撮る運営国の民。嘲笑いながら、そこらに落ちてる石を投げつけている子供も居る。「 私の娘を返せ 」「 お前のせいで俺は施設育ちなんだ 」「 みんなの兄弟喧嘩が羨ましい 」「 お前さえ居なけりゃ祖母は 」そんな自分勝手な被害をぶつけている。うるせぇ、お前の大事な人が死んだのはあなたさんのせいじゃない、全部死んだそいつらのせいだ。そいつが殺せと命令したから俺達は言われるがままそいつを殺したんだ。なのに俺達が悪いはおかしいだろ、何で一番近い関係のお前らが気付かないんだよ。そう思いながら民を押し退け、最前列まで行く。
ピクッッ
あなた sid
僕は死ねない。絶対に死ねない。酸欠で苦しい事は分かるし、意識が遠のいていく感覚もちゃんとある。でも、死ねない。どうしてだろうか、痛覚もあるし、首に締め付けられたような跡もきちんとある、この前自分でやった時に鏡で確認した。なのに死んでいない。僕、死なない体質なのか?
…久し振りに能力使うか
左手を腰に置き、右手でフェンスに触れる。僕の性格や見た目には大分合わないが、触れた物を花に返れる能力を持つ。僕だってこんな能力は嫌さ、昔は「 女みたい 」と弄られたから。…あれ?昔っていつだ?まぁ、幼少期くらいの話ってことだろう。これで此処ら辺のフェンスは無くなったか、この花達どうしよう。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。