第31話

三十話
44
2024/12/02 14:00 更新
演劇が始まったら、もうこんな感じで自由に遊べなくなるのかな…
ふと、陽がそう呟いた
そんな陽の目は、どこか遠くを見据えているような気がして
おれも、そんな何とも言えない気持ちになる
演劇っていっても、一つの物語だけだろ?
長くても、冬休みまでには終わるって
うん…
俺がそういうも、要の不安げな表情は変わらない



俺達がこうして沁み沁みしている間も、樹と空はクラゲや砂辺に打ち上げられた海藻に夢中だ
店員mb
おまたせしました
店員mb
いちごかき氷としらすハンバーガーです
あ、ありがとうございます
真っ白なテーブルに、いちごシロップのかかったかき氷と、上にヨットの描かれた旗がついているハンバーガーが置かれた
うわ、うまそう…
少しお腹も空いてたし、空腹を満たすのはちょうどいい
いただきまーす
ちゃんとあいさつをして、ハンバーガーにかぶりつく


何だろう、すごく美味しい




隣の陽も、かき氷を一口食べると、目をキラキラさせながら自分の頬に手を当てる
やばい、ほっぺ落ちる
わかる、めっちゃうめぇ…
やっぱり海の家に間違いはないのだ
どれも美味しいものばかり







で、話を戻すけど
演劇って、どんな感じなんだろうね
さぁ…俺もやったことないからわかんねぇ
……まぁ、俺の過去とにてる台本だったし、6歳の頃の記憶を引っ張り出せばワンチャンいい感じの演技ができるかもだけど


正直言って無理だ、不可能に近い
高2の俺が、10年前の記憶を思い出せるか?無理に決まっているだろう
6歳の俺だったら、とんでもない演技ができるかもだけど
(ほぼ実際に体験したことだからな)



怖いなぁ
まともに演技できなかったらどうしよ
逆になんで本格的な演技求めてんだよ
俺たち初心者だぜ?素人だぜ?
ポイ感じに周りに合わせるのでさえ一苦労だろ
いや…やるからにはガチでいきたいじゃん
で、やったったぜって感じでピースサイン掲げたい
うわ、それ気持ちよさそ…




本気を出したい陽の気持ちもわかる
でも、俺たちにそんな事が出来るだろうか
素人の俺たちに…、




いや、
出来るか出来ないかじゃない


やるかやらないかだ




そう思いながら俺は、海の静かな漣を眺めた
なんかあそこ、めっちゃしんみりしてね?
うん、なんか戻りづらいね
そう言いながら2人は、ワカメモドキ(ワカメに似たよくわからんやつ)をぷにぷにと触っていた

プリ小説オーディオドラマ