ふと、陽がそう呟いた
そんな陽の目は、どこか遠くを見据えているような気がして
おれも、そんな何とも言えない気持ちになる
俺がそういうも、要の不安げな表情は変わらない
俺達がこうして沁み沁みしている間も、樹と空はクラゲや砂辺に打ち上げられた海藻に夢中だ
真っ白なテーブルに、いちごシロップのかかったかき氷と、上にヨットの描かれた旗がついているハンバーガーが置かれた
少しお腹も空いてたし、空腹を満たすのはちょうどいい
ちゃんとあいさつをして、ハンバーガーにかぶりつく
何だろう、すごく美味しい
隣の陽も、かき氷を一口食べると、目をキラキラさせながら自分の頬に手を当てる
やっぱり海の家に間違いはないのだ
どれも美味しいものばかり
……まぁ、俺の過去とにてる台本だったし、6歳の頃の記憶を引っ張り出せばワンチャンいい感じの演技ができるかもだけど
正直言って無理だ、不可能に近い
高2の俺が、10年前の記憶を思い出せるか?無理に決まっているだろう
6歳の俺だったら、とんでもない演技ができるかもだけど
(ほぼ実際に体験したことだからな)
本気を出したい陽の気持ちもわかる
でも、俺たちにそんな事が出来るだろうか
素人の俺たちに…、
いや、
出来るか出来ないかじゃない
やるかやらないかだ
そう思いながら俺は、海の静かな漣を眺めた
そう言いながら2人は、ワカメモドキ(ワカメに似たよくわからんやつ)をぷにぷにと触っていた












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。