帰り道
高校生の俺たちが電車に揺られながら家に帰るって、めっちゃアオハルじゃね?
という樹の提案から、行きはバスで来たのだが帰りは電車で帰ることにした
窓から見える夕日は、先日のギラギラと輝いていた太陽とは打って変わって、しみじみとする空気を生み出した
夏休みが終わったら、俺と陽は演劇の練習が始まって、三年生は本格的に受験勉強が始まって…
レッドは、見つかるだろうか
俺に何かをしてほしそうな、寂しい思いをしていそうな
そんなオーラを纏っているレッド
未だに顔すら見たことはないが(((
ザーザー
寒い、寒い
誰か、僕を……
スッ
「誰、君は……」
樹に呼ばれてびっくりして、周りを見渡すと電車の車内
どうやら、俺はいつの間にか寝ていたらしい
そうやって思い直してみると、やっぱり夢を見ていた
いつもの夢を。
隣を見ると、まだ陽も空も眠っている
いつもと同じ夢を見ていたくせに、魘されていたなんて…
毎日同じ夢を見るのは苦痛ではあるが、別に悪夢ではないし、正直気にしなければどうとでもなる夢である
あの夢の内容に変わったところはなかったし……
なかった…?本当に?
そう言って笑い合う俺たちの後ろには、夕日がまだ輝いていた












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。