第3話

Prologue END
282
2022/08/21 05:47
後期は文化委員長に任命された。

更に私は毎日登校する羽目になり
だけどいつの間にかそれは
周りに支えられながらになっていた。


自分が変われば人が変わるという言葉があるけれど
それには2つの意味があると思っていて



まず,自分が変わろうと努力することで
それを皆が認めてくれて
誤解が解けたり,印象が変わったり
だから,相手も歩み寄ろうとしてくれてる



体育祭が終わった後
私はやり切った達成感と
あまり体力的に貢献できなかった悔しさで
1人,保健室で涙を流していた。

そこに訪れてきたのはあの班員たちで


「あんなに頑張った体育祭初めて」
「ありがとう」「よく頑張ったね」
って,口々に伝えてくれた。


今まで散々顔色を伺ってきたもん
その言葉から嘘でないことが分かった。


私を見て見ぬふりをしていたクラスメイトも助けてくれるようになった。



それは,私の頑張りを見た彼らが
私に歩み寄ってくれたからだと思うの。


もう1つは自分が変わったことで
今まで見えていなかったものが見えるようになったということ。


私は「どうせ自分はダメだ」という
殻に閉じこもっていた。

目の前の辛いことしか目がいかなくて
自分が変わることで視野が広がって
遠くから声を投げ続けてくれた人の存在や
私に歩み寄る人の存在に
自ら気がつけたという事だと思う。




今も残念ながら完治していなくて
授業もまともに受けれないし
時々,倒れたりなんかしながら
それでも毎日頑張れるのは


この記憶のおかげだと思う。


辛い過去のはずなのに
私にとってかけがえのない
後にも先にも超えることのない青春だったと思う。
辛くて死にたいんじゃなくて
そこに出会いとか誰かの存在や



自分が立っているということ
生きているということに気がつけたこの経験が愛おしくてたまらない。



今でも消えてしまいたい夜がある
どうしても自分をダメにしたくなる日がある
でもそういう時,この過去が話しかけてくれて



「いつか死ぬから大丈夫」

「それなら今できることしたいなー」

「今しか気がつけない誰かに気が付きたいな」

って思えるようになる。





辛かった過去を私は,自分の力で
ファンファーレにしてみたい。




大きな壁を超えるのは難しいけど
自分でファンファーレを鳴らすの。





大丈夫。
間違えたらやり直せるよ。
生きていられるなら
やり直せばいい,何回だって



大丈夫、今死ねなくても
いつか死ぬから。





今はあなただけのファンファーレを鳴らして。








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