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深澤side
全員が集まった彼女の部屋はとても静かで
いつもの俺たちの賑やかさはどこにもなかった。
佐「…起きてからこれだよ。なーんにも反応してくれない…声をかけても。無理やり目を合わせても。手を握っても反応なし。」
あなたは目を合わせるのが苦手。
無理やり目を合わせようとしても
意地でも合わせてくれない。
そんな彼女が無理やり目を合わせても
反応しないなんて…
ラ「…あなたちゃん。喉乾いたでしょ?水持ってくるね。」
そう言ってラウールは部屋を後にした。
渡「…俺ちょっと離れるわ。」
そう言って翔太も部屋を後にした。
俺も正直今のあなたを見ていると苦しくなる。
でも今離れてしまうと
またどこかへ行ってしまいそうで…
…失いそうで怖い。
そんなことを思っているとめめがあなたに近づいた
目「あなた。おはよ。目覚めてくれてよかった。」
そう言って頭を撫でた。
…いつもより長く、、優しく、、丁寧に。
阿「ごめんねあなたちゃん。心臓の音と喉だけ見せてね。」
阿部ちゃんもあなたに近づき異常がないか確認をした
深「…よかった。目覚めてくれて。」
今はそれだけでいい。
心臓が動いてるだけでもいい。
動けなくたっていい。
あなたが生きているという確信があるだけでいい。
でもいつか…
貴方の心の底からの笑顔が俺は見たい。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。