第8話

08.
85
2026/02/13 03:54 更新
リヴァイs.


































(なまえ)
あなた
 世界のためなら 、 仕方ないんだよ 
(なまえ)
あなた
 私が彼と婚約すれば 、 それで 
 救える命があるんでしょう ?



















































その言葉が、胸の奥を削った。













――世界。







――人類。







――正義。

















俺はそれらのために、何人も斬ってきた。









血を浴びて、選択して、切り捨ててきた。
















だが。








こいつを差し出す理由には、ならねぇ。






































リ ヴ ァ イ
リ ヴ ァ イ
 …… ふざけるな 







































気づいた時には、あなたの腕を掴んでいた。






































リ ヴ ァ イ
リ ヴ ァ イ
 お前が犠牲になる話じゃねぇ 
リ ヴ ァ イ
リ ヴ ァ イ
 エルヴィンのクソみたいな 
 大義を受け取る必要はない














































あなたは、初めてはっきりと俺を見た。














泣いていなかった。









揺れてはいるが、崩れていない。




















それが、何よりも痛かった。



































(なまえ)
あなた
 …… でも 、 リヴァイ 
(なまえ)
あなた
 貴方はいつも世界を選ぶ人でしょう 








































息が詰まる。











――ああ、そうだ。










俺は選んできた。
















仲間より、結果を。





感情より、未来を。






















リ ヴ ァ イ
リ ヴ ァ イ
 …… 今回は違う 
リ ヴ ァ イ
リ ヴ ァ イ
 俺はお前を選ぶ 
リ ヴ ァ イ
リ ヴ ァ イ
 世界がどうなろうが 、 関係ねぇ 
(なまえ)
あなた
 …… 本当に  ? 
(なまえ)
あなた
 私を連れて行ったら 、  
  貴方は全部失うよ
 



















































それでもいい、と言い切る前に。













あなたが、俺の服の裾を掴んだ。
















小さく。





震える指で。




































(なまえ)
あなた
 … それでも 、 行っていい  ? 




















































胸の奥で、何かが壊れた。













理性だとか、責任だとか、







積み上げてきたものが音を立てて崩れる。













俺は答えの代わりに、あなたを引き寄せた。
















抱きしめるなんて、柄じゃねぇ。










だが、離す方が――無理だった。







































リ ヴ ァ イ
リ ヴ ァ イ
 離す気はねぇ 
リ ヴ ァ イ
リ ヴ ァ イ
 お前を選んだ以上 、  
  後悔する気もない
リ ヴ ァ イ
リ ヴ ァ イ
 世界が敵になるなら 
 … 俺が全部 、 斬る 
 



















































あなたの額が、俺の胸に触れる。








その重さが、やけに現実だった。






































(なまえ)
あなた
 …… ばか 












































小さな声。






だが、離れようとしない。













その事実だけで、









俺はもう、引き返せなくなっていた。

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