両手を上で纏められて動けない、どうにかして逃げようとする私をうっとりとした目で見る桂さん
やりすぎた、これは後悔してもしきれないこと……だか!!
こんなにチョロイもんなのかな!?攘夷志士って。
こーれは、私の話を聞いてないな
噛み合わねぇ……話が一向に。
……確かに、桂さん悪い奴ではないけど……病み系なんだよな。私のせいか。
まとめあげられていた腕が解放された
私に愛しているかを問うた時、何故あんなにも哀しげな表情だったのだろうか
いや、哀しいというか、懐かしむようなあんな感じ
心の中にモヤモヤとした違和感をこの時は感じた
そして、夜になり数日は桂さんの自宅にやっかいすることになった
夜は桂さんが仕事場に送り迎えをしてくれた。
桂さんの髪の毛事情を聞いてみると、得意げに話したあと桂特製のスペシャルヘアケアをしてくれた、物凄くこれが艶々になって驚いた。
部屋は別で寝ることになった、桂さんいわく
『恋心を抱いている相手とは何事もステップが肝心だ』
って、詰まり2人で寝るのは小っ恥ずかしいってことだよね
意外と可愛げがあるな。
すぐ床に着いたが数時間後に喉が渇き目が覚めた。
確か居間に水があったのを思い出し、部屋から出る
居間に行くには桂さんの部屋がある廊下を通らないといけないから起こさないように抜き足で歩いた
が、桂さんは以外にもこの時間帯に起きていたようだ
誰かと話をしているようだった
盗み聞きはあまり宜しくないけど気になるもん……
障子に耳を当てて澄ませる
今日は夜がとても綺麗で月がよく映えるそんな夜
寝顔…?暫くうちに泊まる……?これって、
なぜだか恐ろしくなった私は、その場から離れた
自室まで気づかれぬように走り急いで床に着こうとした
なのに、
後ろには先刻桂さんと話していた人がいた……振り向きたくない……怖い……何!私になんの用よ!!私何もしてないけど!!
声が少し冷たく低くなった気がする……なんで!!私何かしでかしたの!!?誰か教えてよ!!
自分を客観視するの結構大事だから!!
なんで初めましてであったこともないやつに名前呼ばれて命令させられてんの!?怖い!!やだ!!
えー!なんなの!?私この人知らないよ!多分……顔見なきゃ分からないけど……
ゆっくり振り向くと、桂さんより少し小柄で女性みたいな小綺麗で洒落た着物を身にまとい、左目が包帯で覆われていた。
右手には、愛用なのだろう煙管を持っていた。
顔も綺麗で紫色の髪がしなやかに伸び揺れている
分からない、ここでも私は“違和感”を覚えた
私は知らない筈なのにどこかで見た事のある人物だった。
お客さんだった?いや、こんな人はいなかった
いや、私は私なんだけど?何それ、哲学なのかな?
間違いねェ……
10年前の攘夷志士戦争で、最恐と言われた、
__“戦場の淑女”の高須あなた__
ソイツにそっくりだ












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!