夢見桜の世界には、今日も淡い光が舞っていた。
いずなが笑いながら振り返る。
そう答えると、いずなは嬉しそうに笑った。
ひなつが呆れたように言う。
そのとき、明るい声が響く。
みおが駆けてきて、後ろでなおがため息をつく。
みおに聞かれ、辺りを見回す。
淡い光と、ゆっくり揺れる花びら。
みなもゆるく笑う。
あいは静かに微笑んだ。
そのとき。
かほがふいに立ち止まる。
風がぴたりと止まった。
遠くから、かすかな声。
胸の奥が少しだけ苦しくなる。
なほはそっと言った。
やわらかな光が広がり、重かった空気が少しだけ軽くなる。
なほの声と一緒に、夢見桜の花びらが静かに舞っていた
その奥の暗がりで。
誰かが、こちらを見ていた気がした。
小さな影と、その隣に寄り添うもうひとつの影。
けれど次の瞬間には、もう消えていた。





















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。