日に日に溜まる疲労、身体がいくら限界だと嘆いても
鞭を打ち働く毎日。労基などは存在せず、
紛うことなき社会の家畜と化している高宮 あなた。
彼女が唯一の救いとして日々頑張っているのは
乙女ゲーム「 初恋フリーラバー 」マイナーでは
あるがそこそこ有名な乙女ゲームだ。
新卒の彼女が乙女ゲームにハマる理由は───
キャラのビジュ一択だ。
日々の疲れを乙女ゲームで遊び解消しながら
キャラのビジュでまたやる気を起こさせるという
超画期的な仕組みを発見してしまった。
高校の同級生達はカレカノが出来てリア充万歳
している中一人孤独に乙女ゲームにハマって、
生活が疎かになっていく疎外感と劣等感を抱きながら
アラームをセットして寝る、ほんとに嫌になっちゃう
ピピピピッ ‥
機械音が耳に入り朝だと感じさせられる。
人生の中で1番嫌いだと言っても過言では無い時間、
いつの間にか取らなくなっていた朝ごはん、
最低限の身だしなみを整えてアパートを飛び出して
行く。すれ違う学生達を見て、いいな何て憧れを
抱いてしまうのは気の所為にした。
通勤ラッシュのこの時間、毎度ギュウギュウに
電車に詰められて身動きも取れない。
そんな毎日を繰り返していてため息が出る。
ドンッ、身体が宙に浮いた。
スマホを見ていた社会人•学生が一斉にコッチに
視線を集める。後ろの高校生ぐらいの男の子が
焦って私に腕を伸ばすが、届かなく私は目の前に
来る眩しい電車に轢かれ生涯を終えた。
思い残すことなんてなかった、ただ ────
なんて、思っていることも知らずに。
ピピピピッ
規則的な機械音がまた鳴る。
寝起きで声が掠れる。
カーテンの隙間から指す光が眩しくて
腕で目を隠す、何となく体を起こしていつも通り
朝の支度をしようとした、
鏡に映る自分が自分じゃなかった。
高校生ぐらいの可愛い女の子、これって
生まれ変わり?それとも、転生?
どこか見覚えのある姿思い出せそうで
思い出さない。もどかしい気分になる。
私が前世でプレイしていた乙女ゲーム略して
初フリ。初フリのヒロイン、早乙女 あなた、
ドジだけど愛嬌があって可愛い子典型的なヒロイン。
つまり、私は初フリに─────
ようこそ、「 初恋フリーラバー 」へ
当ゲームを抜け出したければ全キャラ攻略を
行って下さい。一部補助の為に月一で好感度が
可視化できるようになっていますので是非お使い
ください。
※当ゲーム攻略方法はノーマルルートではなく、
" ヤンデレ " ルートです。キャラに監禁・殺害
・ストーカーをされないようにご注意下さい。
それでは、ゲームスタートです♡












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。