あの後、確かに寝るって話にはなったけど
別に添い寝してくれなくても………
そういえば………
それからは何事もなく帰宅した
帰る時、時雨さんが
少し哀しそうで
どこか切ない表情をしていたのは
きっと気のせいだ
太宰治side
お昼頃に
探偵事務所に行き
彼女に会うため
事務所の扉を思いっきり開く
中を見渡す限り
あなたちゃんはどこにもいなくて
かわりに………
知らない男がいた
そんな話をしてる場合じゃない
彼女は?
あなたちゃんはどこだい?
私は真っ直ぐ
中也の指定した部屋の
扉を開けた
バンッ
部屋の中で何かが爆発した
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!