……昨夜は、つい、ユラさんの企みに
まんまと引っかかってしまった……。。。
そう反省しつつ、僕は考え事をしていた……。。
……もちろん、これからの事……。
あなたの事もそうだけど、
これまで応援してきてくれた、STAYの存在……。
例の記事や、記者会見の時から
StrayKidsの活動は激減、
そして、僕だけは、活動自粛中のままなのだ。。
あなたが無事に戻ってきてくれた事から
僕の覚悟は決まった……。。
みんなも、ずっと待ってくれていた。
いい加減、動き出さないと……。。。
ーーガバッ!!ーー
僕は布団から勢いよく起き上がり、
リビングの方へと向かった。
カタンッ……
誰だろう……と、覗き込むと
そこには……愛しい彼女がいた。。
どうやら1人で
朝ごはんを食べているようだった。
優しく声をかけると
あなたは驚いていたが
普通に挨拶と、会話をしてくれた。。
ホッと胸を撫で下ろすと同時に
僕はある事を思い出した。
あなたが、帰ってきたら渡したかった物……
それらを取りに急いで部屋まで戻り
そして……あなたに一つ一つ、
「返して」行った……。。
そう伝えながら、
あなたとお揃いで買ったスマホを
また使って欲しくて、小さな手に置くと
嬉しそうに笑ってくれた…………が、
それはすぐに、切ない表情へと変わった……。。
不安で、あなたの様子を伺っていると、
彼女が複雑そうに、こう呟いた……。。
……っ!?
僕は……あなたの言葉を聞いて
思わずハッとした……。。
気を遣った言葉を並べながらも
あなたは、「あの時」の不安を
もう……繰り返したくないと言うよりに
僕にそう話した。。
俯いたままのあなたを
思い切り抱き寄せ、
そして強く抱き締めた……。。
僕は、これでもかと、
もう絶対に苦しませたりしない……
同じ過ちは繰り返さないと……
あなたが安心できるような言葉たちを並べ
今できる、今言えるだけの
精一杯の謝罪をした……。。。
……そんな僕の腕を掴み、ゆっくり下ろしたあなたが
無様な僕の顔を見て、こう言葉を放った。
……どうして……
どうしてこんな、素晴らしい女性を
僕はあの時、裏切ってしまったんだろう……
今更後悔しても遅いのに
こんな僕をまた「信じよう」としてくれる
そんなあなたに、
思いつく限りの愛の言葉を伝えた……。。
僕には……あなただけなんだって……
もう絶対に、悲しい思いは……させないって……
だけど……そんな単純でありきたりな言葉……
今の僕には、なんの説得力もない……。。
それなのに、
どうしていつも……この子はこんな風に……
無理して笑おうとするんだろうか。
本音はいつだって見えない……
きっと、あなたは今この瞬間も
「あの時」のことで、胸がいっばいなはずで
僕の事なんて……心の底から信じられるはず
……ない。。。
やっぱり……
このままでは駄目だ……
僕は……
あなたの……
本当の笑顔が……見たいから……。。。
……
その後、色々邪魔はあったけど、
あなたを会社に連れてくるようにと
予めイェジュンさんに言われていた僕たちは
それをあなたに説明し、
一緒に出社する事となった。。。
ー会社にてー
久しぶりに訪れた事で
かなり挙動不審なあなた……
しかし、そんな心配をする暇などないんだと
ある人物が楽屋へ顔を出す。
一瞬、僕の顔をチラッと見たイェジュンさん。。
……
あなたが退院する前、
イェジュンさんと、そして、メンバー達と
極秘で話を進めていた事を思い出す。
…………
……
ーあなたの退院前ー
ー社長室にてー
僕は……あなたを傷付ける可能性も
十分に考えた結果、
あの時の……例の「海」に
彼女を連れて行きたいと
イェジュンさんに掛け合った。
僕は、厳しい表情を浮かべる
そんなイェジュンさんの目を見ても屈せず、
毎日毎日、精一杯に悩み、考え、
辿り着いた結論なんだと
必死に訴えかけ、深々と頭を下げた。
これ以上、メンバーのみんなに
迷惑はかけられない……。。。
かと言って、僕はこのまま
「stray kids」として、
活動し続けるなんて……許される事なのか……?
確かに、「恋愛は自由」だが
僕の場合は……かなりのSTAYを
動揺させ、裏切り、心配をかけた……。
何度も何度も脳裏によぎったのは……
脱退…………
そればかり……だ……。。。
イェジュンさんが
僕の事を気遣って……くれている?
……
何だか不思議な気持ちだ……
でも……この人は前社長とは違う。。
ちゃんと、僕達のことを……
ーーバンッ!!ーー
……ヒョンに続き……次々と
メンバー全員が
社長室に入って来た……。。
一体……どうして……
ーゲシッ!!ー
僕らは始め、9人でのデビューを果たした。。
しかし数年後、
本人の強い希望もあり……そして、皆でそれを尊重し
今の8人のstray kidsになったんだ。。。
韓国語も今ほど全然分からなくて……
ただがむしゃらに歌って、踊って……
みんなの足を引っ張らないようにって
朝から夜中まで……ひたすらに頑張っていたあの頃……
限られた時間の中で、ヒョン達も音楽を制作したり
僕に韓国語を教えてくれたり、
色々サポートしてくれた。。。
一人で寂しそうにしていたら、
ビニヒョンがよく声をかけてくれて
いつだって、僕の事を気にかけてくれていた……。。
みんな、自分の事でいっぱいいっぱいだったのに
それでも見捨てたりなんてしなかった。
沢山……支え合ってきた……。。。
だからこそ生まれた曲もあって
賞も取ったり、念願のライヴだって
夢を追いかけて、追いかけ続けて、
そして、
みんなでそれらを叶えてきた……。。。
僕にとって「stray kids」は……
そんな簡単に、切り捨てられる……
ものじゃない……!!!!
僕は……やっと……本音を言えた……。。
それを言葉にすれば、
身体が震えるほどに涙が溢れ出て仕方なかった。
僕は……僕が思っている以上に
「stray kids」が
大好きで、大切な、場所なんだって……、、、。
みんなが、
「答え」をくれた……。。。
ーギュウッ!!ー
……「何かあったら、俺のとこに来い」……
……「絶対に、お前を1人にはさせない」……
僕達は……自然と集まり
抱きしめ合っていた……。。。
……
たくさんの温もりの中で
僕は思ったんだ。。。
あぁ……僕……
やめたく…………ないや…………。。。
イェジュンさん……、、
「家族」…………。。。
僕たちは、何年もこうして
繋がってきた。。。
忘れかけていた事が、またみんなの言葉で
思い出せた。
7人の希望の手と、
新たな、頼もしい社長と
いつだって僕らと共にしてきた
スキジキやマネージャー、、、
みんなでまた、絆を深めたい。。
そして……STAYを……
あなたを
安心させたい。。。
僕らはまたひとつとなり
動き出した……。。。
(続く)
































編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。