第2話

2話
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2024/03/28 06:41
あなた
なんで…美月が?
俺に電話をかけた人間はほぼ絶縁状態である双子の姉美月からだった
あなた
(とりあえず出やな…あんま乗り気とちゃうけど)
ピッ
あなた
{…もしもし}
美月
{久しぶりやな}
あなた
{何やねん俺仕事中なんやけど}
美月
{いやクソジジイが死んだから報告しただけやで?}
あなた
{…は?}
美月
{通夜はやらん葬儀も近い親戚だけでやるで来週までには帰ってこい}
あなた
{何やねんそれ…なんでもっとはよ親父が危篤ってことぐらい言ってk…}
美月
{別にええやろ?お前そんなにクソジジイのことよく思ってなかったやろ?}
美月
{そんじゃあと遺産は全部アタシが貰うで}
あなた
{それは勝手にしてくれ…}
ブチッという音とともに電話が切られる
あなた
はぁ…
kyo
どうしたん?
話しかけてきたんは俺の同期であるきょーさん本名は天王寺てんのうじきょう
あなた
あぁきょーさん…なんでもあらへんよ
kyo
いやなんかはあるやろさっき電話しとったんお前の姉貴やろ?
あなた
せやな
kyo
また金貸してって言われたんか?
あなた
いや…親父が死んだって…言われたから…来週仕事できやんへんねん
kyo
…お前結構なワーカーホリックやもんな
kyo
まぁ休暇やと思って親父さんと最後の挨拶ぐらいしたりや
あなた
…そうする
あなた
(有給取らなあかんな…はよやるか)
きょーさんと少し会話をしたあと俺は完成した書類と一緒に有給の申請をした
上司はすんなり承諾してくれた
あなた
(そんじゃ続きやるか)
それから俺はこの一週間いつもの倍の仕事をこなした…流石にしんどいが今から実家に帰るための荷物の用意をしないといけない
あなた
まぁ持ってくもんは着替えと財布、携帯、本あとは急な仕事が入ったとき用のPCぐらいか
あなた
リュック1つで良さそうやな
あなた
(新幹線に乗るまであと…1時間)
あなた
もう行くか…
俺は新幹線に乗りながら甥っ子について考えていた
俺が18で家を出るちょっとぐらい前に姉貴は男の子を出産していた今は小学生ぐらいかな?俺はそいつが赤ん坊のときちょっと見たぐらいやけど
あなた
(…元気とは言えやんやろな…あの姉やし)
そのときちょうど通知が来た
現在 LINF通知"美月"
あなた
何やねん…
美月
『葬儀終わったら話したいことあるで葬儀終わって3日は家おってくれ』
あなた
既読『なんで?』
美月
『なんでもええやろ』
あなた
『は?』
あなた
『おーい!聞いとるか?!』
あなた
『無視すんなや』
あなた
『スタンプ』
あなた
『スタンプ』
あなた
『スタンプ』
あなた
『スタンプ』
あなた
『スタンプ』
あなた
『スタンプ』
あなた
チッはぁ…
あなた
(ってもう次で降りやな)
あなた
…ついた
あなた
時間やばいな…入れてくれるんかな
現在時刻23:48
ピンポーン
ガラガラガラ
???
えっと…ど、どうぞ
あなた
え、あーうん…
あなた
(誰やこのガキ?)
俺を迎え入れたのは姉ではなく見覚えのない4、5歳ぐらいの男の子やった
あなた
(…なんでガキがこの時間まで起きとんねん…もう寝とらなあかんやろ)
???
えっと…お、お母さん…お、叔父さん来たで…
美月
…いちいち報告せんでええははよどっか行け
???
ご、ごめんなさい…
美月
チッ…うるせぇな…
バチンッ
???
ッッヴ…ご、ごめんなさいごめんなさい
美月
やからうっさいんやわ
あなた
…え?
美月
何やねんあなたの下の名前はよ部屋戻れや
あなた
え、なんで…子供叩いたん?
美月
そんなんお前にはどうでもええやろ
あなた
…わかった
美月
…はぁ
あなた
(こっちがため息つきたいわ)
あなた
…君もはよ寝よか
???
で、でも…お母さんが怒るから…ね、寝ちゃだめなんや
あなた
…じゃあ叔父さんが起きてるで君は寝てええで
???
…え?
あなた
はよ寝に行こか
???
う、うんわかった…

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