第59話

第三審 『 狐火優香 』 囚人番号002番 ユウカ
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2026/02/28 10:00 更新

ミルグラムの病室。
ベッドの上に、囚人番号002番、ユウカが横たわっている。

ベットの傍らに置かれた椅子には、囚人番号001番、カイトが座っていた。
ユウカ
ユウカ
……かみ、さま………
ユウカ
ユウカ
手当なら、結構、ですから………
カイト
カイト
ユウカさんはそう言うけど……
カイト
カイト
そう言う訳にも行かないよ……!
ユウカ
ユウカ
……私に、幸せになる、権利なんて…
ユウカ
ユウカ
なかったんですよ……………。
カイト
カイト
このままじゃ、死んじゃうかもしれないんだよ……!?
ユウカ
ユウカ
……もう、いいんです……。
ユウカ
ユウカ
死んだって…………
ユウカ
ユウカ
……お願い、だから………
ユウカ
ユウカ
もう、このまま、死なせてください………
カイト
カイト
ユウカ、さん…………
カイト
カイト
死なない、よね………?
ユウカ
ユウカ
…私は、もう……駄目、だと、思います…
ユウカ
ユウカ
………神様が、いても、いなくても………
ユウカ
ユウカ
こうなることは、きっと、変わらなかった………
ユウカ
ユウカ
これ、は、罰、なのです………
ユウカ
ユウカ
だか、ら、そんな、顔、を…しない、で、くだ、さい…
ユウカ
ユウカ
…私、次こそは………
ユウカ
ユウカ
しあわせ、に…………………
ユウカ
ユウカ
……………
カイト
カイト
……ユウカさん?
カイト
カイト
ユウカさん!!



カイト
カイト
…………また、救えなかった……





ユウカの表情が映される。
その顔は、穏やかなものだった。

















東京都足立区に生まれる。

狐火優香は、特別な家庭で育った。
長女を神とし、崇め慕い、神とされる子供の指示に従って生活を送る家庭。
優香は長女である姉を神として慕い、自分を幸福にしてくれると言じ続けていた。
たとえどんなに悪いことをしても、正直に言えば神が許してくれる。
そして正しい道を教えてくれる。
優香は自分の過ちを正直に話す子供だった。

神の言う通り生活をしていたが、優香の家庭は貧しくなるばかりだった。
神としての立場を与えられた姉の心は弱り、神としての威厳をなくした。
言葉からも重みがなくなり、ついに姉は神という立場から逃げ出そうとした。
家から神がいなくなることを許せなかった優香は、姉を殺し、新たな神を作ろうとした。
自分を幸福にできないものは神ではない、そう考えていたのだった。


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