第63話

心象風景 コトネ 【 虚無さん 】
52
2026/03/02 10:00 更新
虚無っぽいなんかもうだめみたい
もうバラバラです
空です
くだんない本当もう馬鹿みたい
もう虜みたい静かな世界

君の期待応えたいし
心次第に枯れちゃうし
きりない焦燥と
期待で痛くなる未来
孤独に囚われちゃうし
トラウマが脳支配しちゃうし
最低な日々だ
痛い

バイオレンス バイオレンス
何も分かんない 分かんないよ
難解愛をロスト 愛をロスト
愛して 愛して
アイロニー アイロニー
クラクラする毎日だ
脳内エンドレス エンドレス討論
やめてくれよもう

何も期待しないで居たいし
見つからないって泣いた毎日
苦しくて暖かい
あの日が夢のようで
スポンジみたいなショートケーキ
悪気ない愛は痛いが平気なフリ
もう疲れた

ただ ただ ただ
愛してほしい 愛してほしい
カラカラ乾いた
心満たして
消えたくないから
くだらないな

バイオレンス バイオレンス
何も分かんない分かんないよ
難解愛をロスト 愛をロスト
愛して 愛して

アイロニー アイロニー
クラクラする毎日だ
あーネガっては願ってるから
それぞれの愛が
暖かな場所がある





2004年 北海道釧路市に生まれる。

百鬼湖斗音は、生まれた時からひどい虐待を受けていた、
毎日毎日、罵倒され、殴られ、物を投げつけられ、当然まともな食事はもらえない。
ろくに学校に通ったこともなかった。
それでも湖斗音は両親のことを大好きだと思っていた。なぜなら両親は湖斗音のことを愛していると思っているから。湖斗音に「愛している」と告げているのが聞こえる。
その声に、どんな感情はこもっていたのかは、わからない。
両親が愛している、というならば、これは確かに【愛】なのだ、と。
当然、そんなの両親の【嘘】である。
湖斗音にとっての【愛のカタチ】。それが間違いであることを教えてくれる人はいない。
中学生になり、相変わらず家庭環境は変わらないまま、日々は過ぎていった。

ある時の道徳で、両親に感謝をしようという趣旨のことを学ぶ。
そういえは、両親はわたしを【愛】していたけれど、わたしが両親に愛を示したことはなかった。
わたしも両親へ【愛】を示さないといけない。
いままでずっと、湖斗音にとっての【愛】は周りにとっての虐待。

ならば大きな【愛】を示すということ、それはつまり、殺すということ。そう湖斗音は結論付けた。
そうして、台所から包丁を持ち出し、寝ている両親のところへ向かい、包丁で刺殺した。
動かなくなった血まみれの体らを見て、湖斗音は惚の表情を浮かべる。
愛しているよ、と告げてその場を去っていった。

ひどく力が抜けて、なぜか安心して涙が出てしまった。

でもすぐに、両親の【愛】から救われて、新しい両親からの愛をもらう。
湖斗音にとってのそれは、【愛】なんかじゃなかった。
疑問と恐怖を抱き、何で優しくするのか、なんで食事をくれるのか、殴ったりしないのかと尋ねた。
すると両親は涙を流し、つらかったんだね、と湖斗音を抱きしめる。

そこでようやく、湖斗音は気づく。
あれは愛なんかじゃなかった、と。
愛は嘘で、自分はその【嘘】に飢えていたのだ、と。
自分に嘘をつき続けていたのだと。
本当は、とてもとても怖くて、嫌だと思っていたのだ、と。
湖斗音自身、暴言により自分のことを否定されすぎて、自分が何なのかわからなくなってもいた。
ようやく気付けた。
そうなら、昔の両親にも、こんな風に愛してほしかった。
そのことに耐え切れずその現実から目をそらし否定し、かっての【愛】も正しい、あの時の私も愛されていたと思い込むようになった。



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