あなたside
聞こえる.........私を呼ぶ声が........
朦朧とした中でもわかる
駿佑の声だ........
どんどん、駿佑が握ってくれる手が強くなる
まぶたが重い......
お願い........!!開いて.......!!
人目また、駿佑の顔見たい
1人ぼっちに、絶対させない........!
決めたもん、駿佑のそばはなれないって
私、一緒に生きていくんだ....!!
こんなとこで、終っちゃいけない.....!!
駿佑が、待ってる......!!
春海さんは、近くにいる父と母に向き直り、話し出す
春海さんの声が聞こえる
私は、お父さんの骨髄と適合した
お母さん......
私........これからも、駿佑と生きていたい
だから.......
駿佑が私の手を握り、泣きそうな顔で見つめてくる
もしかしたら、このまま死んでしまうかもしれない
そしたら、この人を1人にしてしまうんだ
そう思ったら、悲しくて仕方なかった
私たちが信じる未来が、同じものなら
駿佑は、涙を流しながら、笑ってくれた
春海さんの言葉に、両親が頭を下げた
助かるって信じたい
.....でも、もしもの時
もしもの時が来たら.........
あの時書いた、もしもの時の手紙
涼介さんに預けてた
駿佑の声が遠くに聞こえる
それと同時に、手紙を書いた時のことが、頭に浮かんだ
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。