第55話

Fifty-two
1,841
2020/05/07 08:18
あなたside
聞こえる.........私を呼ぶ声が........
朦朧とした中でもわかる
駿佑の声だ........
道枝駿佑
道枝駿佑
あなた.....!!!
逝くなよ.....!!
約束だろ.....!!!
どんどん、駿佑が握ってくれる手が強くなる
まぶたが重い......
お願い........!!開いて.......!!
人目また、駿佑の顔見たい
































You
You
.....ハァハァ......ピクッ)
道枝駿佑
道枝駿佑
あなた.......
あなたしっかりしろ!!!
逝くなよ....!!俺置いてくとか許さないぞ.....!!
You
You
ハァハァ.........(ギュ
道枝駿佑
道枝駿佑
!!!
You
You
ハァハァ........
ぜっ、たい、置いてかないよ......
もう、しゅ、んす、けを1人にしない、よ......
1人ぼっちに、絶対させない........!
決めたもん、駿佑のそばはなれないって
私、一緒に生きていくんだ....!!
こんなとこで、終っちゃいけない.....!!
駿佑が、待ってる......!!
春海さん
心拍戻ってきたわね
.......あなたちゃんの骨髄移植のことですが
春海さんは、近くにいる父と母に向き直り、話し出す
春海さん
春海さんの骨髄移植、早めた方がいいと思います
前にも話した通り、その前の措置として腫瘍化した細胞を殺すために、大量の抗癌剤投与と放射線照射をして、移植をする
春海さんの声が聞こえる
私は、お父さんの骨髄と適合した
春海さん
もっと、心の準備をしてから受けさせるべきだったっていうのは分かってます
拒絶反応があればあなたちゃんは.......
お母さん
そんな......っそれを今、きめなきゃいけないんですか.......
お母さん......
春海さん
もう、抗癌剤治療に、あなたちゃんの心と体は持たない
だから、かけるべきだわ
私........これからも、駿佑と生きていたい
だから.......
You
You
は、るみさん........
春海さん
!?
あなたちゃん......
目、覚めてたのね....
お母さん
あなた.....!!
お父さん
あなた....!!
遅くなってごめん.....!!!
You
You
わ、私........うけ、ます......
道枝駿佑
道枝駿佑
あなた!!!
お前っ........
駿佑が私の手を握り、泣きそうな顔で見つめてくる
You
You
駿佑.........
道枝駿佑
道枝駿佑
あなた、死ぬなっ........
You
You
.....本当........に.......大好き、だよ........
もしかしたら、このまま死んでしまうかもしれない
そしたら、この人を1人にしてしまうんだ
そう思ったら、悲しくて仕方なかった
You
You
駿佑.......きっと........
道枝駿佑
道枝駿佑
あなた.......?
私たちが信じる未来が、同じものなら
You
You
.....きっと.....また.....会えるよね.......
道枝駿佑
道枝駿佑
....っっ!!
あぁ、また会える、必ず
駿佑は、涙を流しながら、笑ってくれた
春海さん
お父様は明日にでもこちらに入院して、術前検査を受けていただきます
明後日、全身麻酔で骨髄採取して、その日のうちにあなたちゃんに移植される流れになります
お父さん
わかりました....!
直ぐに準備します
あなたのこと、よろしくお願いします
春海さんの言葉に、両親が頭を下げた
助かるって信じたい
.....でも、もしもの時
もしもの時が来たら.........



































You
You
......りょう、すけさん........
山田涼介
山田涼介
ん......?
どした......?
You
You
......手紙.....お願い、します.........
道枝駿佑
道枝駿佑
え......?
あの時書いた、もしもの時の手紙
涼介さんに預けてた
山田涼介
山田涼介
いくぞ
道枝駿佑
道枝駿佑
あ、はい........
駿佑の声が遠くに聞こえる




















それと同時に、手紙を書いた時のことが、頭に浮かんだ














































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