まって今なんて言った ?
私が大嫌いな名前が聞こえた気がする 。
首をガリガリと掻きながらしゃがみこむ弔 。
わかってる 、
弔は私が嫌がることを冗談でも言わない 。
髪をぐしゃっとかきあげてパソコンに話しかける 。
パソコンから聞こえる聞き慣れた笑い声 。
《 そのままの意味さ ! 》
《 夢のための下準備だよ 、あなた 》
長すぎるため息をついてパソコンを見つめる 。
先生は1度決めたら変えることは無い 。
《 ああ 、頼むよ 。私たちの希望 》
《 はっはっは ! 失礼したね ! 》
思ってもないくせによく言うよ 。
プツンと音が途切れると先生の声は聞こえなくなった 。
そう 、私は複数持ちだ 。
与えられたわけでも 、改造された訳でもない 。
5歳の時に複数発現した 。
そして 、異常だと捨てられた 。
こんな世界に個性なんてあるから悪いのに 。
個性の存在そのものが 、異常なのに 。
手の隙間から微笑む弔が見える 。
そんな顔をされると何も言えなくなってしまう 。
師弟揃って変な呼び方をしないで欲しい 。
知らないのかよ 、と心の中で突っ込んでおく 。
黒霧の方を見ると気まづそうな顔をされた 。
絶対前日の昼に言うことじゃないよね … ?











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!