第3話

爪痕 🐰🐯
322
2026/01/16 23:41 更新
🐯視点
学パロです
「わ、!」

漸く試合が終わってからの休憩中、近くの水筒の紐に足を引っ掛けて、思い切り転倒してしまった。すりむいた膝がだんだんと赤くなっていく。結構な量の血が出ちゃったみたい。後になってじんじんと痛みが増していく。
高校生にもなってこんな小学生みたいな紐付き水筒使うなんて、と思う。

「…야、血だらけじゃん?何してるの」

前方から聞こえるその特徴的な声の主はもちろんパクミンジュ。ご丁寧に救急箱まで持ってるみたい。女子力が高いように感じたのは初めて。
徐に救急箱から液体を取り出す。たぶんきっとそれは消毒で、一気に感情が顔に出る。

「えー…消毒はいいよ」

「痛いのがイヤな高3部長面白いんだけど」

「なんであんたに言われなきゃ」

「い、っ…」

いや、絶対こんなことする必要なくない?水洗いするだけでも痛いのに、わざわざその何倍も痛い消毒をする意味が理解できない。どうせいつか治ることには変わりないのに…

「かわいい笑」

「手震えてるね」

痛みを堪えるために思い切り力を入れて握っていた手を見て笑う。強く握りすぎたのか、爪が長すぎたのか、赤く手のひらに爪痕が残っている。これで痛みを紛らわそうと思っていたけど、後になって痛みが増えただけみたい。

「……爪痕かあ」

目を細めて、私の手のひらについた爪痕を見つめる。少しだけ上がった口角を私は見逃さなかった。多分何か良からぬことをされるんだろうとぼんやり察する。

「表情に出てるね」

「変なことするつもりの目じゃん」

「よくわかったね」と言わんばかりに一瞬視線を向けてにこりと口角を上げると、私の着ていたジャージの裾を捲る。何をするのだろうとぼんやり見ていたら、あろうことか私の腕に爪を立て始める。

「…は、?」

「야、痛いんだけど」

「パクミンジュ」

「聞いてるの?ねえ、いたいんだけど」

爪を立てる時間が長くなるたびにどんどん痛みも増す。いつか血管まで貫通しそうなくらいに強く爪を立てる彼女は薄ら乾いた笑みを浮かべていて、やっぱりこの人は狂気的だと改めて思った。痛みがじんと増して酷くなったタイミングで、私はほぼ半強制的に手を離した

「やめて」

「お、結構ついたね」

腕にはすっかり真っ赤になった跡が残って、じんわりと痛みが増していく。内出血気味になったその曲線状の跡を見て、思い切りパクミンジュを睨みつける。
さっきの膝の痛みが、今意識するまでなかったみたいだった。

「本当ありえない…」 

「キスマみたい」

「씨……」

「それ以上言ったら部長としての尊厳が失われちゃうよー笑笑」

「………はあ、本当ムカツクんだけど」

まだ痛みを帯びた傷を見続けていると結構グロテスクに見えてきて、慌てて捲くられた裾をおろす。

「消毒する?笑」

「怒るよ」

「きゃー、怖い怖い」

「…なんでこんなことしたの?」

「んー、……印になるかなって」

印………。その意味を理解したのは3秒後くらい。
本当にキスマじゃあるまいし。いや、そのつもりでしたのかもしれない。狂気的な彼女のことならありえなくもない話だと思うけど、

「ここでする必要ない」

「わたしはぜーんぶできるよ」

「ハグもキスも、その先も、ほら」
 
「それ以上言ったら退部にするよ」

「んん〜!!!」

文字が出る前に口を手で覆ってやった。
一瞬眉を寄せて、でもちょっと嬉しそうな、やっぱりよくわからない表情で私を見つめる。狂気的なひと。でも、そんなひとがすきな私も、すこしだけ狂っているのかもしれない。
再掲2
 


個人的な好奇心なんですが、皆様はどのケミがお好きなんですか😽もしかしてのもしかしたらかくかもしれないです
🐯🐰はたくさん書いてはいるんですが好奇心でいれておきます笑笑

アンケート

💘
🐹🐰
27%
🐢🐥
16%
🐰🐥
5%
🐹🐢
16%
🐯🐥
2%
🐯🐰
34%
投票数: 44票

プリ小説オーディオドラマ