第35話

1−24【お誘いが見る世界】
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2026/05/02 01:55 更新






クロエ・ヘルシャー
クロエ・ヘルシャー
ノア、邪魔したわね
ノア・アステール
ノア・アステール
いえいえ、教会は公共施設。
祈る権利は全ての人族にあります。



ニコリと微笑むノアは
わざとらしく祈るポーズをする。



それを見て満足気に笑うクロエは
思い出したように懐へ手を延ばした。



クロエ・ヘルシャー
クロエ・ヘルシャー
そうだ、これを渡し忘れていたわ。
シェルア・リーズナー
シェルア・リーズナー
あ、私も私も〜!



クロエは真っ暗の小袋。
シェルアはクロエより一回り小さい茶色の小袋。


チャリ__と、中で金属が擦れる音のするソレを
二人は、神父であるノアに手渡した。



ノア・アステール
ノア・アステール
おやまぁ……ありがとうございます。



中身を知っているノアは、受け取った物を
近くにあったお布施入れへ袋ごとしまい込み
恭しく頭を下げる。



クロエ・ヘルシャー
クロエ・ヘルシャー
アタシは未確認人型生命体を
手に入れなくちゃいけないから
もう行くわね。
シェルア・リーズナー
シェルア・リーズナー
もう!?淋しいなぁ……
なら解散前に言えばよかった!


集まって十数分で解散になってしまうことに
シェルアは残念がる。


ソレを見て笑うクロエは、二人に封筒を渡した。


真っ白の封筒に、金色の装飾が光る。



赤い封蝋で閉じられたソレに目線をやった二人に

クロエはイタズラが成功したような
子供っぽい笑顔を浮かべた。



クロエ・ヘルシャー
クロエ・ヘルシャー
次は私の屋敷にいらっしゃい。
門番に見せたら通れるから。
二人で示し合わせてくるのよ。

シェルア・リーズナー
シェルア・リーズナー
えーっ!ホント?ありがとう!!
ノア・アステール
ノア・アステール
ただの神父には
些か高すぎるハードルですね……


やったー!と喜ぶシェルアとは裏腹に、
控えめな声で文句を言うノア。


一介の神父が伯爵家の門を叩くなんて
相応の用事がなければ。


クロエ・ヘルシャー
クロエ・ヘルシャー
いいじゃない、私が誘ってるのよ。
十分「相応の用事」でしょう?
ノア・アステール
ノア・アステール
おや、声に出ていましたか。
クロエ・ヘルシャー
クロエ・ヘルシャー
バッチリね。


クロエ・ヘルシャー
クロエ・ヘルシャー
じゃあ、そういうことだから。
シェルア・リーズナー
シェルア・リーズナー
わー!私も早く家に帰って
伯爵家に行く準備しなきゃ!



ノア・アステール
ノア・アステール
……あの、



ノアの声を無視して、二人のお嬢様は
早々に教会から出ていってしまった。



ノア・アステール
ノア・アステール
……もういない。



クロエとシュルアがいなくなった教会は
シンと静まり返っていた。



普段、人が途絶えることのない教会は
まるで今だけ世界から切り離された様で………



神父のノアは一つ、ため息をつく。



ノア・アステール
ノア・アステール
あのお嬢様方は何故、
毎度ここへ来るのでしょうか。


自分より遥かに地位の高い少女が二人。


自分でも、なぜあの二人と
絡めているのか分からない。



ノア・アステール
ノア・アステール
大変、気負う逢瀬ですね……。



ノア・アステール
ノア・アステール
……ですが、まぁ、
伯爵家のお嬢様からのお誘いを
お断りするほうが失礼でしょう。



ノア・アステール
ノア・アステール
次回、シェルアさんがここに来た時に
来訪の日程を確認しておきますか。





ノア・アステール
ノア・アステール
別に……断じて、球体の頭を持つ
未確認人型生命体の行方が気になる
ノア・アステール
ノア・アステール
……なんて訳ではないんですよ。




誰に対する言い訳か分からないまま
ノアは静かな教会で、そう零した。










人族パート、これにて閉幕。

は?短いかよ。
ごめんなさい





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