俺がそう言うと、空を見あげていたあなたの下の名前の目線は俺に移った。
蘇ってくる昔の記憶にふと気を取られる。
昔の俺は臆病で、
人に頼ることもできず、頼られることもなかった。
そんな俺を受け止めてくれるのは親のたった2人だけ。
でも、それでも
俺は恵まれていると自分に言い聞かせた。
そうでもしないと、なにかの気持ちに押しつぶされてしまうから、
辛い時期は「恵まれている」という言葉が出てこなくなり、あなたの下の名前みたいに飛び降りようとも思った。
幸せとはなんだろうと考え込んで、
部屋にこもったりもした。
俺の努力を見てくれないこの環境が大嫌いだった。
一人で抱え込んでこれ以上落ち込まないように、
俺みたいにならないように、
大切な人は大切にしたものでしょ?
もし違ったとしても、
これは俺なりの愛し方だから、
素直に受け取ってくれるの待ってるね













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。