2013年6月13日。
私たちは男7人女1人の8人のアイドルグループとして
Big Hit Entertainmentよりデビューした。
YG entertainment・SM entertainment・JYP entertainmentという三代事務所ならつゆ知らず
Big Hit Entertainmentという極小事務所からデビューした私たちの道は前途多難だった
テレビ局やラジオ。
業界の太いパイプというところがまずなかった
自分たちでチケットを手売りして
2013年11月
初めて行った公園でのペンミ
公園でペンミを行ったアイドルは私たちだけじゃないんだろうか
屋外のなんの変哲もない公園
そこに集まった少ないファン。
ここから始まるんだと心躍らせた日。
でもそんなに甘くは無かった
鳴かず飛ばずで不安な毎日を送る日々。
それでも諦めなかった。
諦めたくなかった。
狭い宿舎で身を寄せ合って
2段ベットがひしめく寝室で
夜中に聞こえる啜り泣くメンバーの声
悔し涙も嬉し涙もたくさん流して
歯を食いしばって生きてきた。
韓国で年間100組が排出され
2、3年後に残るグループは一握り
その一握りのグループに入るために必死だった。
やれることは全てやった。
YouTubeでの練習風景をアップし
Vliveでは頻繁に配信し
TwitterやInstagram、FacebookにWeibo
ファンカフェでの交流。
徐々にファンも増えていき
ライブ会場も大きくなり
黄色に光るスティックタイプの夜光棒(ヤグァンボン/ペンライト)が
音と連動し光るアミボムになり
そのアミボムの光が灯るステージの上で
最期を迎えたい。
私はきっと人として必要な感情が欠落している
他人に興味がなくて
ただ音楽とダンスにしか自分の存在意義を見出せなかった
そんな私が愛してしまった
『防弾少年団』
私に人のあたたかを教えてくれた
仲間がいる事の嬉しさを教えてくれた
家族という守るものがあることで強くなれる事を知った。
私が私として生きれる場所。
ここにずっといたい……
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。