第151話

ep 151
2,561
2024/04/29 12:00




ピピピピッ

ピピピピッ...


元貴
元貴
ん...


眩しさになれない目をどうにか開けて見える
この、家ではない景色に...心が少し踊る。




そうだ...あなたの下の名前ちゃんと...





電話じゃなくて
耳元で「おやすみ」を言い合って

抱き合って

はじめて一緒に夜を明かした。




あなた
す ──・・・ す ──・・・
元貴
元貴
( 寝顔かわいいな... )



頬にかかるくすぐったそうな髪を
そっと耳にかけてあげると
あなた
ん.....、
と、モゾモゾ動き出した。



元貴
元貴
...おはよ?
あなた
ん...おはよぉ...
元貴
元貴
よく眠れた?
あなた
ん...いっぱい寝た...
元貴
元貴
 かわいい...。笑 

元貴
元貴
朝ごはんまでゆっくりしよ?
あなた
うん...♡


元貴
元貴
......
元貴
元貴
......///
あなた
...また見てる!?///



俺の視線の先を自分で辿り

慌てて胸元の襟を詰めて、
おまけに掛け布団を引っ張りあげて隠してしまった。



元貴
元貴
見てるんじゃないよ、
見えるんだよ...///
あなた
...次のお泊まりはパジャマ持参する。
元貴
元貴
...だめ。




.....チュッ


ぎゅっ...


元貴
元貴
 ...帰りたくないなぁ。
元貴
元貴
 ずっとこうやって...ぎゅってしてたいね...
あなた
...うん、///

あなた
......
あなた
...ねぇ、大森くん...///
あなた
...えっと......///
元貴
元貴
なぁに?♡
あなた
......///
元貴
元貴
気にしないで?朝のやつだから。笑
あなた
気になるよ...///
あなた
......
あなた
...もったいないよ、せっかく...


もぞもぞ...

元貴
元貴
えっ!?ぁ...ちょ、///
元貴
元貴
まっ...て///

















一一一・・・






一一一一一・・・・ ・






一一一一一一一一・・・・ ・ ・




















元貴
元貴
......はぁ...朝から...搾り取られた...///
あなた
人聞きの悪いこと言わないで...!///
元貴
元貴
襲われたようなもんだよ...俺は...
あなた
......否定は...しないけど...
元貴
元貴
 朝ごはんまでゆっくりしよっつったのに...笑
あなた
......ごめん。笑
元貴
元貴
いーよ...きもちよかったし...///
泊まりじゃないと出来ない経験を
させていただきました。笑
元貴
元貴
にしても腹減ったな...
あなた
もうそろそろ朝ごはん?
バイキングだっけ。
元貴
元貴
うん、準備して行こっか。
あなた
何があるかなー♡たのしみ♡










一一一・・・




あなた
ねぇねぇ見てー!大森くん!
あなた
和・洋・中!なんでもあるよ!!
元貴
元貴
朝からどんだけ食うつもりなのさ...。笑





新幹線に乗る前、駅のコンビニで
お菓子をカゴにポイポイ放り込んでたあなたの下の名前ちゃんが

今はトレーを片手に目をキラキラさせていて...

あなた
まずサラダでしょー?
あなた
あ、これ美味しそう♡食べよ♡
あなた
ねぇパスタもあるよ!
どれにしよっかなぁ...
あなた
あっ、これも食べちゃおー♡
あなた
見て!パンめっちゃ種類ある♡
あなた
わぁ...!お味噌汁も...♡
あなた
だけどそうなると白ご飯も欲しいよね...
入れちゃお。
元貴
元貴
......笑
あなた
ぇ...なに?
元貴
元貴
食べんの?ほんとに?その量行くの?笑
あなた
朝はたくさん食べないと!
あなた
あ、卵焼きもいっちゃおー。
元貴
元貴
...俺、一応止めたからね?笑




結構な量をお皿に盛って、テーブルについて

ほくほくした顔で
「いただきます」を言うあなたの下の名前ちゃんは


それはそれは美味しそうに幸せそうに
ちゃんと全部食べきって、

なんなら食後に
ヨーグルトとフルーツまで取りに行った。



元貴
元貴
めちゃくちゃ気持ちいい食べっぷり。
元貴
元貴
ちゃんと全部食ってるし...。笑
あなた
だって、お腹すいてたもん。
元貴
元貴
朝から体力使うようなこと
するからだと思うけど...?笑
元貴
元貴
俺は逆に胸がいっぱいで...。笑
あなた
私だって胸はいっぱいだけどさ。
別腹だよ、別腹♡





ほんと可愛い顔して笑うよなぁ...


食べてる時の幸せそうな顔といい...







朝食の途中、若井からひやかすようなLINEが来ていて

LINEを返すふりをして
美味しそうに食べるあなたの下の名前ちゃんの写真を

何枚かこっそりと撮っておいた。



あなた
若井くん、なんて?
元貴
元貴
ん?
明日のレコーディングの練習したいから
今晩付き合えって。
あなた
大変だねぇ...
元貴
元貴
俺を現実に引き戻すために
“あえて” だよ。笑
あなた
もうちょっと
浸らせてくれてもいいのにね?笑
元貴
元貴
ほんとだよ...、
元貴
元貴
さ、そろそろ行こっか。




ホテルをチェックアウトして、

少しだけ大阪観光をして、

15:00の新幹線で東京へ戻る。





行きの新幹線ではあんなにはしゃいでいたのに

帰りは2人して寝てしまって...



途中目が覚めた時、

しっかり手を繋いで
俺の肩に頭を乗せるあなたの下の名前ちゃんを見て
愛おしくてたまらなかった。





一一一・・・





あなた
家まで送ってくれてありがとう。
あなた
すっごく楽しかった♡
ほんとに幸せだった♡
元貴
元貴
また記念日に...行こうね、旅行。
あなた
ほんとに...!?
あなた
...楽しみすぎる!♡
あなた
明日からまたレコーディング
頑張ってね?
元貴
元貴
うん、ありがと。
歌入れも始まるし、頑張る。
元貴
元貴
今日はこのままスタジオ行くわ。
若井が待ってるし...
元貴
元貴
涼ちゃんも来るみたい。
あなた
みんなに、よろしく伝えてね?
あなた
気をつけてね♡
元貴
元貴
......ん、
元貴
元貴
......おいで?
あなた
......///


ぎゅっ...


元貴
元貴
...また、ね。



チュッ...
あなた
......うん///




どんなに肌と肌が触れ合うことをしても



この帰り際の、こっそりするキスには
いつまでたってもドキドキさせられる。







名残惜しい指先が離れて、

なかなか気持ちを切り替えられないまま
俺はスタジオへと向かった。






プリ小説オーディオドラマ