言った。
言っちゃった...、!
怖くて怖くて、目が開けられなかった。
でも、相手の顔をしっかり見ようと、ゆっくり目を開ける。
さとみくんは、大粒の涙を流していた。
コントローラーを手から離して、放心状態。
今気がついたというように、手で目を拭う。
小さい頃、転んでも泣いたりしなかったようなさとみくんが、ぼろぼろ涙を流して泣いている。
手で拭っても拭っても、取り止めもなく涙は流れていた。
安心からなのか、それがなんだか面白くて。
自然と、笑みが溢れていた。
少しだけ赤い目尻をふにっ、と下げ、僕に笑いかけた。
これはキケンだ...////
あぁ。
僕は今、世界一幸せかもしれない。
わ、我ながら大胆なことを...///
二人して、無言で赤くなっている。
するっ、とさとみくんの手が伸び、
僕の頬を、触った。
びっくりした.../
急に押し倒されんのかと思った....
いやいや、さとみくんはやりかねないし...
あれ...??
今、うちにさとみくんと僕しかいない...
ここで、僕は重大な事実に気がついた。
おそらく、まださとみくんはギリギリ気づいてないであろう、事実。
まだまだ心構えはできていないし...
僕らまだ高校生だし...
ふにっ、と、唇に変な感覚。
あれ..、僕...、
ちゅー、しちゃった...?///
気づいた途端、足元から興奮が這い上がってきた。
あー、これ。
ダメなやつ...////
またくるのかと思いきや...
さとみくんは、コントローラーを手にゲームを進めていた。
がっかり半分、安心半分の複雑な気持ち。
でも、どうしても我慢できなくて。
服の裾を、ぎゅっ、と掴む。
同じように、頬を赤く染めた。
我慢しきれないというように、深い、深いキスを落とした。
背徳感がえぐい。
だからこそ、興奮してしまう。
けれど、僕は知らなかった。
誰かに夢中になっていると、
こんなにも、周りの音が聞こえないなんて。
るぅとくんが早く帰ってくる、というメッセージの通知音も、
玄関のドアを開けた音も、
るぅとくんの、足音さえも。
絶賛押し倒され、キス中、実の兄に見られてしまいました。
過去イチ、スラッシュ使った。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。