いつの間にかオレンジ色に染まる空の下、3人で他愛もない話をしながら帰る。
無事、また3人で一緒に歩く事が出来て良かった。
そしてあの時俺は川に飛び込まなくて、あの世に逝かなくて
本当に良かったと心から思っている。
ふと渡辺君の方を見た。
渡辺君も空を見上げながら微笑んでいる。
心の中は見えないがきっと同じ事を考えているだろうと
表情から読み取れた。
空を見上げる僕達を差し置いて涼太が元気に話しかけてきた。
3人で楽しく話していると前に人影が見えた。
最初は近所の人くらいにしか思っていなかったがだんだんこちらに近づいてくる。
よく見るとどこかで見たことがあるような気がした。
2人が小声で話している間にも人影はどんどん近づいてくる。
いよいよ僕達の真正面まで来て、その人は口を開いた。
何処かで見たことのある人影の正体は
僕と涼太のお母さんだった。















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!