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第9話

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2026/04/12 13:35 更新






夜。


家は静かだった。



リビングの灯りも消えて、

兄たちの気配はそれぞれの部屋に溶けている。


めるとはベッドに座っていた。


電気はつけてない。


暗闇の中、ぼんやりと天井を見る。


昼のことが、ずっと頭から離れない。




  ""  となり、こわい  '"




小さな声。


でも、はっきりした言葉。


目を閉じる。



思い出すのは、昔じゃない。



最近のこと。



テストで満点を取った日。


褒められて、笑って。


その横で、みかさは「すごいな」って言ってた。



運動会で一位を取った日。


名前を呼ばれて、拍手されて。


その横で、みかさは少しだけ後ろにいた。



全部。


ちゃんと見てたはずなのに。


気づいてなかった。



いや。



気づかないふりをしてた。



ベッドのシーツを、ぎゅっと握る。


ml
……最低だ


ぽつり。


完璧でいることが正解だと思ってた。


でもそれは。


“隣にいる誰か”を置いていくことだった。


喉の奥が熱くなる。


息が、うまくできない。


ml
っ……


声を殺す。


兄たちに聞かれたくない。


天才で、余裕で、なんでもできる五男。


そのままでいたいのに。


涙が、勝手に落ちる。


止まらない。


ml
……みかさ


呼んでも、いない。



今日の昼。


名前を呼ばれたとき。


あんなに嬉しかったのに。


そのあとに続いた言葉が、

全部、壊した。


好きなのに。


隣にいたいのに。


怖がられてる。



それが現実。



布団に顔を埋める。


小さく、震える。


こんなの、はじめてだ。



負けることも。

できないことも。

怖いと思ったことも。

全部、なかったのに。


ml
……どうすればいいんだよ


答えは出ない。


ただひとつ、わかるのは。


このままじゃだめだってこと。



そのとき。

コンコン。

ドアがノックされる。


めるとは慌てて顔を上げる。


ml
……誰


声、少し掠れてる。

ドアの向こうから、静かな声。


lp
おれ


らぴす。

一拍。

ドアがゆっくり開く。


暗闇の中でも、らぴすは迷わず入ってくる。


ベッドの横に立つ。


そして。

何も言わずに、ティッシュの箱を置いた。


ml
……バレてんじゃん


めるとが苦く笑う。

らぴすは肩をすくめる。


lp
目、赤いぞ


短い指摘。

でも、責めない。

ただの事実。


めるとは少しだけ視線を落とす。


ml
……どうすればいいと思う?


珍しく、聞く側。

らぴすは少し考えて。

静かに言う。


lp
並ばなきゃいい

ml
……は?

lp
隣に立とうとするから、比較になる
lp
別の場所に立てばいい。
lp
でも……


lp
逃げるのとは違う


lp
みかさが“隣でもいい”って思えるまで、待つこと



簡単じゃない。

時間がかかる。


でも。

それしかない。

めるとはゆっくり息を吐く。


ml
……むず


らぴすが少しだけ笑う


lp
初めてでしょ、できないこと



その言葉に。

めるとは、ほんの少しだけ笑う。

涙でぐしゃぐしゃの顔のまま。


ml
……うん


できないこと。

それでも、やるしかない。

みかさのために。

そして。

自分が、隣にいたいから。








あっれれ、おっかしいな


これもほぼかいてたのにだしてなかったなあれれーー





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