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第1話

咲き始めた想い
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2025/08/19 11:27 更新
最初に吐いたのは、蕾だった。
小さな白い椿の蕾。
まるで言いかけた言葉のように
口の奥で引っかかって
咳とともに喉からこぼれ落ちた。
冷たく、柔く、まだ咲いていない。
私の中でまだ言葉になっていないこの想いが、
形を持ってしまった瞬間だった。
霧隠ラント
......また、か
まだ日が昇っていない時間、
洗面所のシンクにそっと手を伸ばす。
柔らかな蕾が、私の指の上でゆっくりと震えていた。
まるで“まだここにいさせてくれ”と訴えるように______
朝の光が差し込む教室の窓際。
いつもと変わらないはずの光景だった。
私は静かにノートを開いて視線を落とす。
けれど、喉の奥が焼けるように熱くて、
ひりついた息がこぼれそうになった。
霧隠ラント
(......また、来る)
ぐっと歯を食いしばり、咳を飲み込む。
声にならない痛みが胸の奥を焼くようだった。
その時、教室のドアが勢いよく開いた。
寺刃ジンペイ
突撃ぃー!!
元気いっぱいの声が聞こえた。
この声の主は振り向かなくてもわかる。
彼奴_____寺刃ジンペイだ。
寺刃ジンペイ
会長ー!!おはよぉー!!
クウカ先輩もおはよー!!
小間サン太夫
おはようございます!
玉田マタロウ
おはようございます
後ろから続いたのは、小間サン太夫と玉田マタロウだった。
朝から代わらない3人のテンポに、
私の教室も明るくなる。
七雲クウカ
おはよう(´ ˘ `*)
小間サン太夫
ジンペイくん
今日も元気だね〜
寺刃ジンペイ
それほどでも〜アルマジロ!!
小間が笑えてそう言うと寺刃が明るく答える。
霧隠ラント
お前たち、何故私の教室に来た?
寺刃ジンペイ
え?暇だったからな!
霧隠ラント
はぁ...そうか
霧隠ラント
(......なぜ、こんな遠く感じるんだ)
私は彼らに目を向けず、ただ静かに返す。
それでも彼奴の声はやけに耳に残った。
まっすぐで私の中の何かを乱してくる。
すると、学園長の娘の大王路エマがやってきた。
大王路エマ
あっ、ジンペイさん!
寺刃ジンペイ
おぉ!!エマ!!
玉田マタロウ
エマさん!
小間サン太夫
エマさん
大王路さんと寺刃は楽しそうに話し始めた。
その時また喉の奥が焼けるような痛みがはしった。
FST(フリースタイルタイム)になり
今日はYSPクラブの活動はない為、
生徒会の仕事を進めていた。
すると、また元気いっぱいの聞きなれた声が聞こえた。
寺刃ジンペイ
会長ーー!!来たぜ!!
霧隠ラント
また...寺刃か
寺刃ジンペイ
なぁなぁ会長ー!!
今日メシ食ったか?
霧隠ラント
...あぁ
霧隠ラント
(嘘はついてないからいいだろう)
私はそう言ったものの今朝は何も食べれなかった。
あの白い椿をまた吐いたからだ。
喉が痛くて何も飲み込めなかった。
寺刃ジンペイ
そうか!
そう言いながら
寺刃は生徒会にある椅子に勝手に腰かけた。
霧隠ラント
(...何故そんなふうに笑えるんだ...)
その笑顔が、たまらなく眩しい。
そして私の中の“想い”を呼び起こしてしまう。
寺刃ジンペイ
ニカッ
なんとかその日は耐え、
部屋のベッドに寝転んでいた。
霧隠ラント
(気づかれないようにしなければ...
気づかれたくない...)
そう思いながらも心のどこかでは________
〈次回へ続く〉

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