類の独白......🔧
(全部が妄想、AFに似合わない重い話です)
「あ...あああ......」
.........どうして、僕だけ。
せっかく大切な仲間と出会えたのに、
みんな......皆、もうここにはいない。
いや、...どうせ、僕も消える運命なんだ。
だって、このセカイは終わってしまったのだから。
突如、ノイズが走ったような気がして。
気づけば辺りには何もなく、仲間も消え去っていた。
僕はちょうど発明品を使用していたから無事だったが、
ここからどうすればいいのかなんて分からない。
生き延びる?何も無いんだ、1日が限界さ。
水も食料も無ければ、頼れる仲間もいない。
こんな状況で一体何ができるというんだ。
...ああそうだ、いっそのこと眠ってしまおう。
そうすればきっと僕はもう目覚める事もない。
「......ん?ここは、」
「あっ、起きた!司くーん!起きたよー!」
「類!お前、また居眠りしていたのか?」
「もう...夜更かしも程々にしなよ。」
「えむくん、司くん、寧々...」
僕は夢でも見ているのだろうか?
「む?どうした類、幽霊でも見たような顔をして。」
間違いない、あれはセカイが終わる
数時間前に交わした会話だ。
......セカイが、巻き戻ったのか?
なら僕は、もう一度皆を見送って、また寝て......
いや、それじゃあ見殺しにしてるのと同じじゃないか!
どうすればいい...どうすれば、
あの結末を変える事ができる?
...............!!!
「わたし達に、このカプセルに入って欲しいの?」
「ああ、お願いだ。」
「ほえ?なんでなんで〜?」
「......笑迂に使う、身体データが欲しいんだ。」
「安心して、ただ眠るだけで終わるよ。」
「ふむ...笑迂の為なら、喜んで入ろうじゃないか!」
......よし、これで皆は大丈夫。
前のセカイでは、時空を超える発明品を
使用していた僕のみ生き延びる事ができた。
となれば、このタイムカプセルの外へ出ない限りは
皆は消える事もないし、目覚める事もないだろう。
またセカイが崩れて、2度目の巻き戻しが行われた。
予想通り、皆は眠ったまま
時空を越える事が出来たらしい。
良かった......けど。
「......孤独とは、本当にどうしようもないな。」
3度目の巻き戻しが行われた。
僕はふと、こんな事を思いついた。
——— 仲間がいないのなら、創ればいい。
ひとり、またひとりと。
巻き戻しの度に増えていく仲間たち。
ついに、3人全員を創り上げる事ができた。
カプセルの中で眠る仲間たちに、
僕はそっと語りかける。
「...大丈夫、もうすぐ救われるからね。」
なんだか、自分に言い聞かせているみたいだ。
けれど...本当に、そんな気がしたんだ。
何度も巻き戻しを経験し、
気づいた事がある。
ノイズの数が、減っている。
ようやくセカイが抵抗を始めたようだ。
これで僕らは、救われるのだろうか。
......まだ、分からないけれど。
流石にそろそろ時効だろう。
「おーい、起きられるか?」
司くんの声で、目が覚めた。
「え?何故......」
「目が覚めたらカプセルの中にいてな、
蓋が開いていたから出てきたんだ。」
「記憶が一切無いんだが......何か、知っているか?」
記憶が無いのは意識移植の影響だろう。
蓋が開いていたのは...僕のミスだ。
何をやっているんだ、僕は...!
「...あなたたち、だれ?」
「んー......どこ、ここ。」
「.........カプセルの中に戻ろうか。」
「え〜っ!?なんでなんで!?」
「......博士は、いるのかい?」
「"僕達"を創った人の事だよ。」
「いや...見当たらないな。」
「なら動くのは危険さ。壊れたら終わりだからね。」
「...僕は、また眠る事にするよ。」
「君達も、早くカプセルに入る事。いいね。」
"カプセルの中に戻る"と嘘を吐き、
タイムマシンの中に入って時の経過を待った。
......23時59分。セカイが終わるまで、あと10秒だ。
「......え?」
何故、カプセルの中に入っていないんだ......!?
...充電が切れて、動けなくなったのか!
まずい、このままじゃ
「おい!!!!!無事か!?!?!?」
「ん......」
「よ、よかったぁ〜!!!」
「目、覚めた...!?よかった......」
「......なぁ、一体何がどうなっているんだ?」
それはこっちの台詞なのだけれど...
......そうか、ロボットとはあくまで機械の類。
記憶が"記録"となって、データとして保存されたんだ。
その後、彼らには大体の事情を話した。
...ひとつだけ、大きな嘘を吐いたけれど。
「......何を言っているんだ、君達は。」
「...あたしたち、ずっと笑顔でいたいんだ。」
「セカイが救われるまでのループの間、ね。」
「充電は、メンテナンス担当のお前に任せる。」
「......馬鹿げた事を。僕は眠るよ。」
「頼む!!類!!!」
そんな事言われたって、僕は生きられないんだよ。
君達とは違って、"人間"なんだから。
「.........僕だって、また笑迂がしたいさ。」
植物状態のまま眠る、仲間たちの抜け殻を眺める。
いっそ、同じになってしまえば......
「......そうか、これなら!」
——- 僕は、自らの身体を少しだけ改造した。
これなら仲間たちと同じになれる、
"最後の笑迂"だって、何度でもできる!
「る、類!?!?何故、」
「......僕も、笑迂がしたくなったんだ。」
僕達は、最後の時までハチャメチャな
笑迂をたっぷり楽しんだ。
久々に、心からの笑みが溢れた。
......ああ、巻き戻ったのか。
また、あの笑迂ができるのだろうか。
憂鬱だったセカイの終わりが少しばかり楽しみだ。
「セカイが終わるまで...3、2、」
1
長い長いループは、どうやら
"同じ1日を繰り返す"事で終わりを迎えたらしい。
「オレは、セカイ中を笑顔にする笑迂がしたい。」
「あたしもあたしも!」
「わたしも、一緒に叶えたい!」
「フフ...では、ユニット名はこれでどうかな?」
"ロボピース"...これが僕達の新しい名前だ。
僕が"完全なロボット"じゃない事は、
一生の秘密にしておくよ。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。