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第15話

守りたいだけなのに
16
2020/07/03 23:08



《大翔side》





佐藤大翔
佐藤大翔
蘭!
お前のお母さんのことなんだけど…
相川蘭
相川蘭
もういいよ
佐藤大翔
佐藤大翔
え?
相川蘭
相川蘭
お母さんを探してくれるって言ってくれたとき
すごく嬉しかった。
相川蘭
相川蘭
でも今思えば、心に引っ掛かることがいくつかある。
相川蘭
相川蘭
何で、私のお母さんのことを 
そんなに必死になって探してくれるの?
佐藤大翔
佐藤大翔
それはっ!
蘭の彼氏でいたいからっ!
相川蘭
相川蘭
ホントにそれが理由なの?
相川蘭
相川蘭
だとしたら、もう別れて
佐藤大翔
佐藤大翔
何でっ?
相川蘭
相川蘭
私はあんたと違って真剣なの!
そんな軽い気持ちで、お母さんを探してるんじゃない!
佐藤大翔
佐藤大翔
蘭…
佐藤大翔
佐藤大翔
俺はこれでもっ!
相川蘭
相川蘭
これでも真面目って言いたいんでしょ?
相川蘭
相川蘭
全然、違うよ…
全然真面目なんかじゃないよ…
相川蘭
相川蘭
もし大翔が、私の過去のことをよく知っていて
お母さんのことを探してくれてるなら
相川蘭
相川蘭
なおさら、嫌だ
佐藤大翔
佐藤大翔
何…で?
相川蘭
相川蘭
誰にも知られたくないから。
相川蘭
相川蘭
誰にも知られないように、今まで生きてきたから!
佐藤大翔
佐藤大翔
過去に、何があったの…?
相川蘭
相川蘭
虐待だよっ!虐待っ!!
佐藤大翔
佐藤大翔
虐待って!
相川蘭
相川蘭
父は、自分の思い通りにいかないのが大嫌いで
母と私と弟に暴力を振るってた。
相川蘭
相川蘭
私と弟には、特に酷かった。
相川蘭
相川蘭
弟はまだ小さかったのに
虐待の辛さから、自殺した。
佐藤大翔
佐藤大翔
そんなっ…
相川蘭
相川蘭
自分中心に世界が回ってると思ってる父のことも
父が怖くて、なにもしない母のことも
大嫌いだった…
佐藤大翔
佐藤大翔
なのに何で、蘭はお母さんを探すの?
相川蘭
相川蘭
小さい頃は、母のことが大嫌いだった。
相川蘭
相川蘭
でも、後から知ったの。
相川蘭
相川蘭
お母さんは、私を学校に通わせるために
一日中、休まずに働いてたこと。
相川蘭
相川蘭
毎月一回,私が住んでる家の玄関の前に
野菜がおいてあったんだけど
それは、お母さんが自分で育てた野菜を
自分で持ってきてくれてるということ。
佐藤大翔
佐藤大翔
じゃあ、きっとお母さんは近くにいるんじゃないかな
相川蘭
相川蘭
そうかな?
佐藤大翔
佐藤大翔
えっ?
相川蘭
相川蘭
最近は、野菜が玄関の前に置いてないの。
相川蘭
相川蘭
私の誕生日の日を最後に、母は野球を置いていくのをやめた。
佐藤大翔
佐藤大翔
っていうことは…
相川蘭
相川蘭
それが、最後の誕生日プレゼントだったのかな?









蘭は、そう言って笑った。
















でもその笑顔は


















いつものように輝いている笑顔とは違って















ひきつっていた。









佐藤大翔
佐藤大翔
蘭が嫌でも、俺は探すことを諦めないよ
相川蘭
相川蘭
えっ?
佐藤大翔
佐藤大翔
嫌われてもいい。それで蘭が離れてってもいい。
佐藤大翔
佐藤大翔
俺は、蘭の楽しそうに笑っている姿が好きなんだ。
相川蘭
相川蘭
大翔は、ホントに優しいね…
佐藤大翔
佐藤大翔
これでも俺は、蘭の彼氏だから









そう言って、俺は蘭にピースをし笑ってみせた。

















そうすると、蘭が涙目で優しく笑った。





















一歩、近づけた気がした。












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