ぽかぽかと春の陽射しが差し込む執務室で
ボムギュは猫背で退屈そうに書類を眺めていた。
黒髪が光に透けて、その美しさはまるで絵画の世界の住人のよう。
しかしそんな賞賛が現実で聞こえるはずもなく...
実際耳にしたのは、このような説教であった。
聞いた事のない声に思わず顔を上げると、
そこには見知らぬ青年が立っていた。
余白の無い整った顔立ちで、どこか ( かなり ) 近寄りがたい雰囲気。
黒い使用人服は生まれた時から着ていたのか?という程、妙に似合っていた。
ボムギュが首を傾げると、青年は深く一礼した。
明るく次々と話しかけるボムギュに、テヒョンの表情は変わらない。
テヒョンはボムギュが散らかした書類を一纏めにし、
ドサッと少し乱暴に机の隅に追いやった。
ボムギュはそれを見て、瞬時にテヒョンがどういう人なのかを理解した。
正直すぎるテヒョンに、ボムギュは思わず笑ってしまった。
ボムギュがにっこり笑うと、テヒョンの頬がほんの少し赤くなった気がした。
でもすぐに真顔に戻って、淡々と予定を読み上げ始めるのだった。
その日の夕方、ボムギュは庭園を散歩していた。
そしてその後ろを、テヒョンは一定の距離を保ちながら歩いていた。
ボムギュが急にくるりと振り返ると、テヒョンとぶつかりそうになった。
慌てて止まろうとしてバランスを崩す。
ガシッと掴まれた感覚がして目を恐る恐る開けると
テヒョンの腕がボムギュの全身を支えていた。
至近距離で見上げると、テヒョンの綺麗な黒い瞳と目が合う。
なぜかドキドキして、ボムギュは慌ててバッと身体を離した。
子どもみたいにしょんぼりと肩を落とし素直に謝る
ボムギュを見て、テヒョンは小さく息を吐いた。
上から降ってくるその声は呆れつつも、どこか優しかった。
夜、自室でベッドに横になりながら、ボムギュは今日のことを思い返していた。
正直、最初はテヒョンが怖かった。
だって隙が無さすぎるし、
瞳も腰に構えた剣そのものみたいに鋭そうで、
言葉遣いも冷たそうなんだもん。
でも、あの温かい腕の感触と
低くて優しい声色を思い出すと、胸が暖かくなって
そして何故か、ざわざわする。
一方、全ての業務を終えやっと使用人部屋に戻れた
テヒョンは大きなため息をついていた。
あの現実離れした美しい顔立ちと儚げな雰囲気。
それだけでも心臓に悪いのに
それに似合わない無邪気な笑顔と王子らしからぬ仕草を思い出して、テヒョンは思わず頬を押さえた。
初日からこれは、大変なことになりそうだ。
こんにちは🌱
急ですが🐿🧸の宮廷ロマンス(❓)を書きたくなってしまいました🥺 ので、始動です!
頭を空っぽにして読めるドキドキほのぼのハッピーなお話です♩
短編の方は今2,3個程調整しているので、もう少ししたらあげます📖
🍪














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!