第16話

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2024/02/10 04:00 更新
あかねside

私は撮影が順調に進んでいったある日、かなちゃんからこんな話を聞いた。

♡
   愛聖、実は虐め   
られてるのよ。

♡
   虐めっ…!?   

私は有り得ないと思った。

でも、同時に有り得ると思った。

♡
   嫉妬、でしょう   
ね。

愛聖ちゃんはあんなに才能や人を惹きつける何か・・を持ってる。

♡
   気持は分かるけ   
どね。

♡
   え、?   

♡
   だってあの子、
何でも持ってる
じゃない。





そう言うかなちゃんの目には光が無かった。





炭のような真っ黒な瞳。



♡
   容姿端麗で、歌
もダンスも上手
くて、演技も凄
くて

♡
   歌手にもなれて
女優にもなれて

♡
   なんだったらア
イドルにでもな
れるんじゃない
の?

♡
   私が虐めてもあ
の子はきっと許
してくれる。

♡
   それどころか、
そんなことやっ
てたっけ?って

♡
   きっと、とぼけ   
てくれる。

♡
   純粋だし、綺麗   
で、強くて

♡
   あの子に勝てる
奴なんていない
に決まってる。

♡
   あのアイでも越
えられないかも
ね。

♡
   だからあの子を
虐めてもいいっ
て思うのかも w

♡
   馬鹿よね。でも   
思っちゃうのよ

♡
   あの子は   

♡
   天才的な愛聖サ   
マなんだから。

少しの沈黙、でもかなちゃんの言う事には凄く説得力があった。

♡
   って、話だけっ   

♡
   余り真に受けな   
いのよー

ケロッと表情が変わり、更衣室に行った。

私は嫌な予感がして、愛聖ちゃんの居る更衣室に向かった。


♡
   愛聖ちゃんっ!!   

私は思いきりドアを開けた。

愛聖ちゃんは少し目を見開いてからいつもの笑顔に戻った。

♡
   あかねっどうし   
たの?

♡
   ごっごめんね。   
今着替え中?

♡
   うん!楽しみ何
だよね ~ 今日
の練習!!

私は無駄な心配だったなと思いながら、愛聖ちゃんと話していた。

愛聖ちゃんがロッカーを開けた時、愛聖ちゃんの口が止まった。

♡
   愛聖ちゃ…   

私は思わず目を見開いた。

だって、私の目の先には

泥塗れで何度も踏まれたであろう衣装があったから。

♡
   っ愛聖ちゃん、   
これ…

♡

沈黙が続く。

私は愛聖ちゃんの顔が見えなかった。

泣いてるの?怒ってるの?

解らない。愛聖ちゃんの事はどうしても。

そんな事を考えていると愛聖ちゃんは顔を上げた。

♡
   愛聖ちゃん…   

♡
   誰か落としちゃ   
ったのかな ~

明るい声と可愛い笑顔で私の方を向きながらこう言った。

♡
   …愛聖ちゃん、こ   
れはダメだよ。

♡
   誰かしそうな人   
はいない?!

♡
   最近、自分を貶   
めた人とかっ…
!!

♡
   いないよ。   

♡
   だってみんな、   
いい人だもん。

そう愛聖ちゃんは私に言った。

飛びきりの笑顔で。

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