第9話

資料 7
82
2026/03/16 06:00 更新
あなた
すみませんなんかもっとあの…ずっと生きてる妖怪的なことを言われるのかと…
あなた
えっと…国の化身ってなんですか…?
フェリシアーノ
うーんまぁ妖怪に近いのかなぁ、ずっと生きてはいるよ〜何年ぐらいだっけ
ロヴィーノ
知るかよ、確かローマじいちゃんの頃からだから…ざっと600年とか700年ぐらいじゃねえの?
フェリシアーノ
えー絶対もっと多いよ〜…まぁ統一してからは160歳ぐらいだよ!


フェリシアーノ
あれ、あなたの下の名前ちゃーん?
ロヴィーノ
おい、また息してねぇんじゃねぇの?
フェリシアーノ
ヴェ〜!!まってまって死なないでぇ〜!!
あなた
ひゃ、ひゃく…?
あなた
すみません取り乱しました……
フェリシアーノ
俺こそごめんね〜急に喋りすぎちゃって
ロヴィーノ
バカ弟のせいだから気にすんな
あなた
それで、国の化身っていうのは…?
フェリシアーノ
そうそう!俺らはイタリアの化身で俺が北イタリア!
ロヴィーノ
俺が南イタリアだ
あなた
な、なるほど…
フェリシアーノ
で〜、国の化身っていうのは簡単に言うと国家そのもの?を表してるんだよ〜
ロヴィーノ
国民、文化、歴史全てが俺らを作ってる。その国によって違う化身がそれぞれいるんだ。
まぁ…例外もあるけど
フェリシアーノ
詳しいことは俺らもわかんないや!ただ、人よりは丈夫だし、国が滅ぶまでは死なないよ。風邪はひいたりするけど。
あなた
そうなんですね…
国の化身なんて初めて聞いた。そんなものがこの世界にあったんだ…
なんだか不思議と耳に馴染む。そうか、この人達は国なんだ。だからそばにいると自分が肯定されるような、大きな存在に守られているような気がしたり、逆に自分から守りたくなったりするような気になるんだ…
言われるとパズルがハマるようにしっくりときた。
フェリシアーノ
あの、さ…あなたの下の名前ちゃん…
さっきまでの明るい調子とは打って変わって真剣な表情でこちらを見つめる2人がいた。
あなた
(えっ、急に何…?)
あなた
(も、もしかして、秘密を知ったからには…!とか何とか言われちゃう!?)
フェリシアーノ
俺達のこと、変だって思わないの…?
あなた
へ、?
ロヴィーノ
…前のやつは国だって知ったら"何があるか分からないから"って辞めていったぞ。
サーラみてぇにもの好きな奴らもいるけどよ、
フェリシアーノ
まぁ、時々襲撃してくるやつとかいるし仕方ないんだけどねー。公言してると狙われやすくなっちゃって、もう化身がいるってことを知ってる人は少なくなっちゃった。
ロヴィーノ
あいつらバカだよな。俺らは死なねぇし、撃ったって刺したってなんの影響だってねぇのに。
ロヴィーノ
まぁ、前々から人間とは時代の流れが違うから気をつけろっていう認識はあったが…最近の奴らはもっと敏感になってるんだよな。仕方ないことだけどよ…
フェリシアーノ
あ、別にあなたの下の名前ちゃんが辞めたいなら言ってくれていいんだよ?俺らは別に止める権利なんてないし…ベッラの幸せがいちばんだからさ!
ロヴィーノ
別に…俺ら2人でも十分やってけるんだからなこのやろー
そういいつつも、2人の宝石のような瞳の奥はゆらゆらと揺れていて、まるで大きな不安に押しつぶされそうになっているみたいだった。
…この人達は、孤独なんだ。
人間と姿形は似ているのに、人間とは違う"国"なんだ。
その事が、この人達の暮らしにどれだけ大きく関わっているんだろう。もしかしたら、まるっきり違うのかもしれない。
あなた
私、は
だけど、
あなた
私はそうは思いません。
私は、例え人間じゃないなにかだとしても、2人のことを知りたいと思ってここへ来たんだ。
2人の話を聞いて"そんな人達もいるんだ"と思った。この優しい2人を、私を受け入れてくれた2人を拒絶する人もいるなんて、と。それが私の答えだ。
あなた
国なんて凄いじゃないですか!
人間の私には分からないですけど、きっと生きているだけで疲れる時もあるんです。それなのに何十年も何百年も…
あなた
私は私です。あなたたちが今まで出会ってきた人とは違う、あなたの名字あなたの下の名前です。
国がどうとかよりも、私はあなたたちの方が好きみたいなんで、この仕事は辞められそうにありませんねw
どうか、これからも一緒に仕事をしてくれませんか?…ロヴィ、フェリくん。
顔を見合わせる2人。2人でおかしそうに笑った後、
ロヴィーノ
こき使ってやるよこのやろーが
フェリシアーノ
ヴェ〜!あなたの下の名前ちゃんがフェリくんって言ってくれた〜!ハグハグ〜!
そのまま二人で抱きついてきた。
あなた
うわっ、
私がつんのめって後ろに倒れ、そのまま3人でドミノ倒しのようになる。こういう時に運動不足を後悔するんだなぁ…

…というか異常に近くない?
やばい、息が肌に当たるし、髪がくすぐったいし、これはもうあなたたち私を殺しに来てますね?
フェリシアーノ
あははっ、そんなこと言ってくれた子初めてだよ〜!やっぱりあなたの下の名前ちゃんは最高のベッラだ!
ロヴィーノ
おいバカ弟、いいからあなたのロマーノから呼ばれる名前から離れろよ。狭いぞこのやろー
フェリシアーノ
えー、ずるいよ!兄ちゃんの方が避けてよ!
ロヴィーノ
はぁ?俺の方が先だった!
フェリシアーノ
そんなことないって!
あなた
 あの…2人ともほんとに…避けていただけると……
フェリシアーノ
え〜なんで〜?
ロヴィーノ
チッ…
あなた
お、お2人とも顔がいいんですからっ、むやみに近づかないでください!!私が死にます!!
安易にこの人達のそばにいる決断をしてよかったのか…
あなた
(このままだと1年以内に必ず心肺停止する…!!)
フェリシアーノ
ヴェ〜、ごめんねあなたの下の名前ちゃん♪
いやちょっと何楽しんでるんですか…?
ロヴィーノ
お前は今すぐ離れろ
あなたもですよ…?

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