第26話

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2024/07/27 01:04
夏祭りはとても賑わっていた


いつも夜は静かになる商店街に屋台が出て


人で溢れかえっている


(なまえ)
あなた
すごい人……はぐれそう


こういう時ってさ、手を繋いだりするのって変かな…


一応、付き合って間もないけどカップルだもんね


でも、緊張するな~


いるまは私を気にしつつ人混みをかき分けて進んでいく


靴擦れもあっておいていかれるのも時間の問題


よし____






私はいるまの手にそっと触れた


いきなり握るのはハードルが高すぎたから。


するといるまは当たり前かのように手を握ってきた


いるま
いるま
はぐれそうだもんな、ごめん気づかなくて。
いるま
いるま
最初から俺が握っておけばよかった
(なまえ)
あなた
人が多いもんね、気づいてくれてありがとう。


こんな冷静な返答をしているけれど私の心臓はそんなに冷静ではなかった


最近人と手を繋いでなかったなぁ……





いや、私はさっき____


?
……あ、さっきの……。


今向かいにいるあの人の手を


自分から握ったんだ


(なまえ)
あなた
あ、さっきはありがとうございます。


いるまの手は離さず私はその人に微笑む


いるまの方を見ると少しその男の子の様子を伺っているようだ


?
あのさ、名前聞いてなかったよね。名前、何?
(なまえ)
あなた
あ、私?私の名前は…あなたの名字 あなたの下の名前…っいるま!?
いるま
いるま
もう行くぞ……


いるまは明らかに不機嫌そうだった


その男の子から離すように手を引く


その男の子は私といるまの手元を見て


?
仲良しだね、羨ましいよ。


何故か悲しそうに言った


私は結局その男の子の名前を聞くことが出来ないままその場を離れてしまった






いるま
いるま
助けてもらっただけの人だろ…わざわざ名前とか教える意味ねぇだろ…。
(なまえ)
あなた
確かに……いるま、嫉妬させちゃってごめんね。
いるま
いるま
し、嫉妬……!?してねぇよ、別に。


めっちゃ顔赤いのバレてるって…w


でも今回は私が悪いな、誰かも分からないのに名前教えるなんて


いるま
いるま
あなたの下の名前~?俺射的ガチ得意だから行っていい?
(なまえ)
あなた
え、見たい!行こ行こ~!


でも今日はせっかく2人で過ごせる時間


気持ちを切り替えていこう


𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝

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