。
数学の時間。
なんて言ってるかなんて分からないから
適当に聞き流す。
暇だなーって思って
周りを見てたら隣の男の子と目が合った。
…めっちゃかっこいい。
でも、少し怖いかも。
ほかの人たちよりも、少し明るめの茶髪がすごく似合ってる。
彼も、授業を聞いてないらしい。
目が合ってどうすればいいか分からなくて、
戸惑っていたら、隣の子にそう小声で言われたから慌てて返す。
なんか口パクしてる…?
待て待て待て、分からないよ!?
もっかい!!って思って手で1を出す。
…い、い、イ ロンニョク …?
た、多分この人の名前…だよね??
間違うなんて恥ずかしい…けど!!
口パクで当てるのは無理だよね??
結構あってたし、褒めて欲しい…
なんて悶々と一人で考えてたら、
男の子が左手をグーで出してくれて
私もつられてそろそろ出す。
そしたら、コツンと合わせてくれて…
いや、恥ずかしい!!照れるわ!!
でも、優しそうでよかった。
桜、私友達作れそうだよ。
friendly ー 優しい男の子 ー
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!