□side
手越が帰ったあとまたノートに同じことを書いた
早く死にたいっていうのも残しておいて
次の日も手越は来てくれた
ちょっとずつノートに書いたことをやることにした
♡「恋人かぁ、誰か好きな人いるの?」
□「いない」
♡「これは後回しだね、んー友達とショッピングとか、海で遊ぶのとかなら出来そうだね」
□「うん」
♡「てか、死にたいっての消してないじゃん!」
□「念の為」
♡「もぉ〜」
手越と話してると俺の担当医が来た
医「小山さん!!嬉しい報告です!」
医「小山さんの病気治せるようになりました!」
□「えっ……」
♡「じゃあ死なないんだ」
医「はい、ただそこまで医療も発達してないので運動とか、色々控えていただくこともいくつかありますけど」
♡「良かったね!」
□「良くない……死にたいよ、なんで死なせてくれないの?」
♡「慶ちゃん、生きようよ」
□「やだ……」
俺の願いも叶わず、病気が治って退院して学校にまた通いはじめた
教室に行くと……
▽「あいつさぁ死ぬとかいうから仲良くしてたのに、もう病気治って死なないんだってホント無駄だった〜」
♡「まっすー、そんなこと言わないでよ」
▽「なに?あいつの味方すんの?」
♡「……」
やっぱ死ぬからだったんだ、あんな優しかったの全部嘘だったんだ……
またいじめが始まった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!