第166話

可哀想な黄黒くんの1日
7
2026/02/15 15:54 更新
鬼黒 (きく)
兄さん…今日の修行はもう終わりですか?
ハウスの裏庭で死神、天猫、黄黒が戦闘訓練をしているときだった。
黄黒は腰にかけてある刀に左手で触れ、もう片方の手で額に滲む汗を拭った。

天猫は手元にあった通達書を懐にしまい、こちらを振り向く
天猫
また緊急の任務入っちゃった…ごめん、今日はもう終わりにしよ
死神
まぁたあいつか…?
呼吸を乱している死神がポンと天猫の肩に触れて呆れた顔を見せると天猫も図星のように呆れた顔を見せた
天猫
はぁ、そうだよ…
しかも呼び出し内容も酷い!
天猫
神様の食料庫のポテチの在庫が減ってきたから補充しろだって……???
なんで僕なのさ!!!はぁ!!
さすがの天猫も怒りをあらわにしながら地団駄をしていた。
鬼黒 (きく)
問題ないです、私も今日は久しぶりに休むことにします
死神
あっお前もサボりたい気分だったのか!奇遇だな
鬼黒 (きく)
サボりじゃない…!正当な休みだ!
ニヤニヤしながら馴れ馴れしく黄黒の肩に触れる死神の手をのけはらいながら黄黒は兄に挨拶して、天猫は翼を広げながらその場を去った。
死神
…なぁこの後暇?
飛んでいく天猫の後ろ姿を眺めながら死神が黄黒に聞いた。黄黒は首を縦に振る
死神
っよし!ちょうど高ぇ酒を買ったんだ。
一緒に飲もうぜ
鬼黒 (きく)
死神さんお酒飲めるの?…弱そう
死神
あぁ?舐めんなよ、天猫より強いから
鬼黒 (きく)
…いえ、兄さんはクソ弱だから比較対象にすらならないと思う
鼻高々に酒に強いと自慢するが、比較対象が弱かったせいであっさり舐められて少し傷つきながらも死神は黄黒を無理やり引っ張って倉庫へ連れていった
倉庫の鍵を開けて、死神が酒瓶を2本握り黄黒に見せつけるが黄黒は黙った立ち尽くしていた
死神
何見てんだ、お前も持てよ!年上を敬えクソガキが
鬼黒 (きく)
年上のくせに年下に気遣いもできないんだ
死神
てめぇなぁ…
減らずの口の黄黒に少し、いやかなりピキピキしている死神だが勝てる訳もなく大人しく文句を言わずに部屋に向かった。
部屋について大量の酒を床に置き、服に着いた泥を洗った後2人は大量の酒を飲み始めた━━━━━
死神
っお前…酒強いんだな
鬼黒 (きく)
鬼だからな。
死神
…それ天猫には言うなよ
お互い3瓶ほど飲んでいると、死神はだんだん酔ってきている様子だった。
死神
死神は顔を真っ赤にしながらぽわぽわとしている意識の中でも絶えず酒を飲み続けている。
美味しいからというのもあるが、八割は黄黒に負けたくないからだろう。死神はかなりの負けず嫌いだ
鬼黒 (きく)
もうやめたらどう?ぶっ倒れるぞ
死神
てんねこ……?お前そんな酒強かったっけぇ…
4瓶飲みきって5分ほどたって完全に酔いが周り始めたのか死神は朦朧とした意識のなかで少し天猫と少し容姿の似ている黄黒のことを天猫と勘違いしていた。
手に握っていた酒の入ったグラスを床に落とし、黄黒の体に抱きつく。
鬼黒 (きく)
うわっ…はぁ
鬼黒 (きく)
私は兄さんじゃない、起きろ
そして離れろ……!
死神
…きょうは冷てぇな
昨日…ベッドにジュースこぼしたのそんなに怒ってんのか……
鬼黒 (きく)
うーん、それは怒ってるかもしれない
兄さんは綺麗好きだから
鬼黒 (きく)
っあっ!どこ触ってんだバカ!
天猫だと思い込んで黄黒に抱きついている死神は黄黒の服に手を入れてお腹に触れていた。
死神
…なんかいつもよりゴツゴツしてんな……
筋トレ頑張ったの…?
鬼黒 (きく)
だから兄さんじゃないって言ってるだろ!
死神
んん?なんの話しぃ……?
鬼黒 (きく)
だからぁ…!
この状態を兄に見られると多分自分より弟の方がいいんだって病み始める。
早く止めないと…

そう思いどうにか死神を止めようとするが絡むように抱きつく死神を引き剥がせずにいた。
止まらず黄黒の体に触れる死神は服の中に入れた手を徐々に上に滑らせていく…
死神が黄黒の突起したそこに触れた時だった
鬼黒 (きく)
…っ!!!!!!
鬼黒 (きく)
だから……やめろって言ってんだろバカ!!!!!
ずっと我慢していたが敏感なところに触れられて防衛心で黄黒は思いっきり死神の顔を殴り、自分から距離を取った。
状況を理解できずにいる死神は目を大きく開けながら黙って黄黒を見つめている
鬼黒 (きく)
あっやべ…顔に傷つけちゃった
黄黒が顔に触れた時の摩擦で死神の頬から少し血が流れていた。
黄黒はこの状態を兄に見られたら確実に殺されると察してそそくさとその部屋を出ようとしていた。

素早く腰を上げ扉を開くとそこには兄がいた。
勢いで突っ走っていた黄黒は兄とぶつかり、床に尻もちを着いた
天猫
どうしたの?そんなに慌てて
鬼黒 (きく)
あっにいさ…これは違くて!
死神
…うぅっ、痛てぇよバカぁ!!
ちょっとジュースこぼしたくらいでそんな怒ることねぇだろおお!
顔の傷から血を流し、黄黒をまだ天猫と勘違いしている状況で突然泣き出す死神
まさにカオスであった。

死神の顔の傷を見て天猫はすぐさま黄黒を見る
鬼黒 (きく)
…私だけど私じゃないんです!!
天猫
…よく分かんないけど一発殴る!!!
鬼黒 (きく)
理不尽!!!!
10分ほど経ったころ泣きじゃくる死神を横目に必死に黄黒が状況を説明してようやく誤解が解けていた。
泣き疲れた死神は天猫の膝で赤子のように眠っていた
鬼黒 (きく)
ねっ?わかりましたか?
天猫
こんなヒョロガリ相手に本気で殴っちゃダメでしょ!!
まぁ今回は許します!
天猫
次からは2人でお酒なんて飲んじゃダメだからね!
鬼黒 (きく)
肝に命じます……
今度あったら傷つかない程度に死神を殴ろうと決意した黄黒だった。

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