うちは、ハナズオウ王国の国民だった。
平凡な一般人。
父と母と3つ上の兄の4人で、仲良く暮らしていた。
毎日が宝物みたいにキラキラ輝いていた。
兄はよくうちに物をくれた。笑って、『睡蓮のために』と。
そんな兄が大好きだった。
それに、物知りで何でもできたの。
そんな兄がかっこよくて、うちもよくマネをしていた。
勉強、読んでいる本、運動は苦手だったけど、兄が応援してくれるから、頑張れた。
お昼ごろだったかな?
いつも通り本を読んでいると『睡蓮』という花があることを知った。
そこには、花言葉も開花時期も書いてなかった。
だから、兄に聞こうと思った。
そう言うと、兄は笑って教えてくれた。
花言葉は『愛情』『清純』『無垢』そして『滅亡』だと。
数年が経って、うちが14になった時、兄は王都で働き始めていた。
うちは1人になる時間が増えた。
今日もそんな日々の1日になるはずだった。
なのに…突然騎士団員が来た。
たぶんその時から、うちの人生が狂い始めた。
騎士団員の顔が急に怖くなる。
目を合わせ、コソコソと何かを話していた。
内容は聞き取れなかったが、一つだけハッキリと聞こえた。
「こいつが魔女か」
何の話か分からず固まっていると騎士の一人がうちの髪を掴んで歩き出す。
どれだけ痛いと叫んでも無視され、周りに助けを求めても…
誰も助けてくれなかった。
そのまま、うちは牢屋に入れられた。
その一言はとても冷たく、周りに響いていた。















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。