ーーー志子田sideーーー
しんと静まり返った食卓に
焦ったように悠太が付け足す
桃子が囁いてきた
二人とも、というのは言うまでもなく
悠太とあなた先生のこと。
連絡先を交換?
なんだと
悠太、お前まさかそんな奴とは…
俺たちがわちゃわちゃしている間
ふと見ると
悠太とあなた先生が額を寄せて話していた
口に手を当てて
あなた先生の耳元に口を寄せる悠太
うんうん、と頷いた後
びっくりしたような顔をするあなた先生
何を話しているかわからないが
なんだか楽しそうだ
ちぇっ
きょとんとした顔のあなた先生に
桃子が説明する
きゃあきゃあ盛り上がる卓を横目に
トランプを探す
確かここに…あった
ふと後ろを見ると
桃子にもたれかかって爆笑する河本
大きなおなかをさすりながらつっこむ桃子
控えめにほほ笑むあなた先生
目の下を真っ黒にしながらも可笑しそうに笑う悠太
ああ、懐かしいな
幸せだな
ここはあたたかい
飛び起きた
いつの間にか寝落ちていたみたいだ
女子たちが帰っていったのは覚えている
そのあと悠太と部屋で飲んで…
悠太?
パタン、
遠くで扉の閉まる音がして
上着も着ずに慌てて部屋を飛び出した
悠太がゆっくり振り返る
その横顔は前にあった時より
いくらか痩せているような気がした
悠太に手を振って
来た道を引き返した
もう一度振り返っていたら
名前を呼んでいたら
無理やりにでもとめていれば
未来は変わったのだろうか
















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。