第3話

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2026/01/07 12:45 更新

リブ
 お ~ これ、夏休みの課題? 
サンヒョン
 まあ そんな感じです 
リブ
 うわ ~ なんだこれ、全然分かんない 



 リブヒョンがこの家に来て1日が経った。

 1日だけでもヒョンのことでわかったことが
 たくさんあったから、
 メモ用ノートはどんどん消費されていっていた。


 お腹は空かないこと、よく眠ること、暑さに弱いこと
 僕より勉強は苦手で、僕よりも少し身長が高いこと。



サンヒョン
 … ヒョンもやりますか、勉強 ㅎ 
リブ
 え゛、遠慮しとく 
サンヒョン
 え ~ 僕は部屋貸してるのに 
リブ
 いやでもさ、僕いないも同じじゃ 
サンヒョン
 僕に会いにきたとか言ってたのに? 
リブ
 …… お願い英語がいい 
サンヒョン
 あ ~ 僕も英語が一番得意なんですけど! 
リブ
 頼むから ~ 、!! 


 正直1日だけで、こんな見知らぬ人と
 しかももう死んでしまった人とこんなに話せてるのは
 自分でもどうしてか分からない。

 仕方ないなと思いながら、狭い机に向かい合って
 ヒョンは英語を、
 僕は数学の問題を黙々と解き続けていた。


 するとふと、階段を上がってくる音が耳に入る。


.
 サンヒョナ ~ ?部屋にいるの? 
サンヒョン
 …… オンマだ、 
リブ
 え、 
サンヒョン
 片付けないと、! 
リブ
 いやべつに片付けなくても … 
サンヒョン
 勉強道具ふたつあったらおかしいでしょ 
サンヒョン
 今日は友達も呼んでないのに 
リブ
 まあそれはそっか … ?? 


 急いでヒョンに貸していたシャーペンをしまって
 課題の冊子を閉じようと身を乗り出したとき、


サンヒョン
 あっ、! 
リブ
 っうぉ、ッ 


 手が滑りバランスを崩してしまって
 どさっっ、とそのままリブヒョンの上に
 倒れ込んでしまった。

サンヒョン
 ごめんなさいヒョン __  


 そう謝って体を起こそうとした瞬間、
 ガチャっと部屋の扉が開いた。

 … どうしよう、ヒョン、どう説明すればいいんだ?


.
 … ひとりでなにしてるの、サンヒョナ 
サンヒョン
 あ … ?あっ、はは … ㅎ 


 … そうだった、
 リブヒョンの姿は僕以外には見えないってこと
 すっかり忘れてた。

 
サンヒョン
 け、消しゴム、ベッド下に落としちゃって 
.
 ああそう、 
.
 それより友達来てたけど … 
何か約束してたんじゃないの?
サンヒョン
 え 本当? 
.
 早めに出てあげてね 
サンヒョン
 わかった、ありがと 


 オンマが部屋から出て行ったのを見てから、
 体を起こして机に置いていたスマホを開く。

 昨日のカトクを確認してみると、やっぱりそうだ。

 今日はウジンと勉強するって約束してたんだ。


サンヒョン
 ウジニか、 … あ ~ そういえば … 
リブ
 友達? 


 僕が押し倒してしまったリブヒョンも起き上がって、
 乱れた服の襟を直しながらそう尋ねる。

 心なしかその耳が赤く染まっていた気がした。

 あの時耳でも打ってしまったかな、
 なら申し訳ないんだけど。


サンヒョン
 うちで一緒に課題やる約束してて 
リブ
 あ ~ … なら僕外出るよ 
リブ
 友達には見えないだろうけど、 
サンヒョナやりにくいでしょ
サンヒョン
 確かに、… 助かります 


 二人で階段を降りて、玄関までは一緒に行って
 ウジンを家に入れるのと入れ替わるように
 リブヒョンは外へ出て行った。

 
ウジン
 あ やっと来た、お邪魔します 
サンヒョン
 ごめん、インターホン気付かなくて 
サンヒョン
 …… うわ、今日あっつ 
ウジン
 ほんとだよ、地獄だったんだから 


 今日は外に出てなかったから
 外がこんな暑いなんて知らなかった。


  そういえば、リブヒョンは暑いのが苦手だったっけ。

 この炎天下の中でも大丈夫かな、
 これからヒョンはどこで時間を潰すのかな。

 気付けばリブヒョンのことで頭がいっぱいだ。


ウジン
 … サンヒョナ? 
サンヒョン
 っあ、ごめん、暑いよね今閉める 
ウジン
 ありがと ㅎ 



 扉を閉める直前、
 太陽が眩しくて手庇するリブヒョンと目が合う。


 僕は確かに何か言いたかったはずなんだけど、
 思い浮かんだ言葉は全部頭の中で消えてしまって

 代わりにこちらに軽く手を振るヒョンを見ながら、
 強い日差しのせいで目を細めただけだった。








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