風呂から出て、着替えている間。
ふと出た疑問だ。あまりこの世界のことは理解出来ていない。ミナは後でダリヤに聞くことにした。
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何故かダリヤは混乱していた。さっきまでは普通に接していたが、風呂に入ってる間、何かあったのだろうか。
でもミナはそういう物が気になるタイプだ。
聞かないとモヤモヤして仕方ないからだ。
ダリヤは本当に優しい人だ。
ついさっき来たばかりなのにこんなに自分について考えてくれるなんて思いもしなかった。
ダリヤに会いに来た本命の話を忘れていた。
本音としては、行きたい。
この世界で友達を作れるかもしれない。
だが、その面怖いところもあった。
中身としては男士なので、友達になれたとしてもその友達に男と思わせるような態度を見せたら終わり。離れられたら友達の意味は無い。
しかも、女として生きていくわけだから話しかけられるのも女からが多い。もしそこで友達になったとしたら、男子と女子の価値観の違いなどの問題もある。
でも、行ってみたかった。
友達に_縋りたかった。_
転生前の、友達や家族に「これからどうすればいいんだよ」って頼りたかった。
でも、今はいないから。
だから。
これからでもいいから
友達という存在が欲しかった。
だから今だけは自分に嘘をつかない。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。