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第2話

依頼#1-2_潜入
20
2023/02/11 13:57 更新
黒神リン
黒神リン
あ〜、お腹いっぱい〜
よ〜し、依頼遂行開始だぁ~
ナレーター
リンは、ターゲットとなった会社の
内部情報を集めるために……
黒神リン
黒神リン
今日から新入社員として
お世話になるリンです。
よろしくお願いします!
ナレーター
なんと、ターゲットの会社に
新入社員として入社しました。
社員
うん、よろしくね~
社員
か、可愛い…
新入社員が来るって聞いてはいたけど、
こんなに可愛い子だとは思わなかった
社員
分からないことがあったら、
遠慮なく聞いてね!
黒神リン
黒神リン
ありがとうございます
社員
あ、あのさ…リンちゃんって
呼んでも良い…かな?
黒神リン
黒神リン
良いですよ。
お好きなようにお呼びください
社員
じゃあ、私はリンって呼ぶわね
社員
俺はリンちゃんって呼ぶことにするわ
社員
僕は、無難にリンさんで…
ナレーター
と、そんな感じで新入社員紹介が終わり、
入社一日目は大きなトラブルもなく
終わると思われたが……
意地の悪い女性社員
意地の悪い女性社員
ちょっとあんた!
黒神リン
黒神リン
あの、PCってどうやって
使えばいいんですか?
(本当は知ってるけどね)
社員
えっとね、まずこの丸いのを押すの。
すると、電源が入るから………
意地の悪い女性社員
意地の悪い女性社員
ちょっと!無視しないでちょうだい!
黒神リン
黒神リン
……なんですか?
ナレーター
気怠そうな声色で、
リンは女性社員に対応した。
意地の悪い女性社員
意地の悪い女性社員
あんたね、ちょっと可愛くてチヤホヤされて
周りから優しくされてるからって、
調子に乗らないでもらえるかしら?
黒神リン
黒神リン
調子に乗った覚え無いんですけど……
(うーわ、ダルッ)
意地の悪い女性社員
意地の悪い女性社員
調子に乗ってるじゃない!
わざわざPCの使い方分からないふりして!
黒神リン
黒神リン
知らないフリじゃなくて、
本当に知らないんですけど……
社員
そうだよ。
リンちゃんはIT機器とは
無縁の環境で育ったんだから、
知らなくて当然。
リンちゃんの履歴書読んでないの?
意地の悪い女性社員
意地の悪い女性社員
はぁ?
読むわけないじゃないの、そんなもの。
そもそも、新入社員ってだけで
優しくされるのが気に入らないのよ!
黒神リン
黒神リン
嫉妬は男女関係なく見苦しいですね
意地の悪い女性社員
意地の悪い女性社員
なによっ!
ナレーター
二人の間……というよりは、
女性社員の方が一方的に
バチバチとした視線をリンに向け、
その場は一触触発の状態に。
ナレーター
一瞬で空気が悪くなった。
ナレーター
そんな場の空気をなんとかしようと、
一人の社員が仲裁に入り、女性社員に話しかけた。
優しい男性社員
優しい男性社員
はい、そこまで。
このままだと殴り合いしちゃいそうだから、
一旦落ち着こう?ね?
意地の悪い女性社員
意地の悪い女性社員
何よあんたっ!
……いいわ、冷めた。
今日のところは
この辺で勘弁しておいてあげる
ナレーター
女性社員は不服そうな顔でそんな捨て台詞を言ったあと、自分のPCがある机へ戻っていった。
優しい男性社員
優しい男性社員
大丈夫?
黒神リン
黒神リン
あ…はい
ありがとうございました
優しい男性社員
優しい男性社員
お礼を言われるようなことじゃないよ。
でも、やっぱりお礼を言われると嬉しいね
優しい男性社員
優しい男性社員
今の、気にしなくていいからね。
あの人は自分が気に入らないものは
すべて攻撃する人だから。
決して、君が悪いわけじゃないからね。
黒神リン
黒神リン
はい…分かりました
ありがとうございました
優しい男性社員
優しい男性社員
敬語、やめてほしいかな…
君に堅苦しい言葉は似合わないよ
黒神リン
黒神リン
でも、恩人には礼儀正しくしろ、
って教えられましたし…
優しい男性社員
優しい男性社員
恩人だなんて、
俺はそんな大げさな者じゃないよ
優しい男性社員
優しい男性社員
……だから、その堅苦しい話し方を
やめてほしいんだ。
君に堅苦しい話し方は似合わないから
黒神リン
黒神リン
そこまで言われるのなら…
分かりました…じゃなくて、分かった
優しい男性社員
優しい男性社員
うん、その喋り方のほうが、
君には似合ってる
ナレーター
さてと、初日からトラブルがありましたが、
優しい社員さんたちのおかげで、
大きなトラブルにはなりませんでした。
ナレーター
一人、やたらとリンを口説こうとしている
男性社員が居ましたが、
リンは全く気づいていないようです。
ナレーター
そんなこんなで、
リンの新入社員としての
潜入が始まりました。
ナレーター
そうして、数日が経った頃……
黒神リン
黒神リン
(だいぶ馴染めてきたかな)
ナレーター
リンは周囲に完全に馴染んでいました。
ナレーター
そして、仕事をするふりをして
会社のPCから内部データにアクセスして、
不正の証拠を探していました。
黒神リン
黒神リン
(見つからない……
普通ファイルじゃないなら、
シークレットファイルか)
ナレーター
シークレットファイルとは、
条件を満たさないと表示されず、
かつ条件を好きなように設定できる…
というファイルのこと。
黒神リン
黒神リン
(まぁ、不正の証拠になりかねないデータを、簡単にアクセスできる場所に保存するわけないよね)
黒神リン
黒神リン
(シークレットファイルに
アクセスしたい時、
ハッキングは非常に便利だ。
準備と後処理さえしっかりやれば、
痕跡も残らない)
黒神リン
黒神リン
(ただ、
私はこの方法は最終手段にしている。
他にもシークレットファイルに
アクセスする方法はあるからだ)
ナレーター
そうして、リンがシークレットファイルに
アクセスする準備を始めようとした時だった。
意地の悪い女性社員
意地の悪い女性社員
ちょつと、新人!
ナレーター
初日にリンに絡んできた女性社員が、
大声でそう叫んだ。
ナレーター
そのことに、リンはドキッとした。
黒神リン
黒神リン
(もしかして、シークレットファイルに
アクセスしようとしたの、バレた……?)
ナレーター
なぜなら、シークレットファイルに
自分がアクセスしようとしたのが
バレたのではないかと思ったからだ。
ナレーター
しかし、その心配は杞憂に終わった。
意地の悪い女性社員
意地の悪い女性社員
この統計調査表、
入力されたデータが間違ってるわよー、
それも全部ね
ナレーター
フロア全体に聞こえるほどの大きな声で、
女性社員はそう叫んだ。
しかし……
黒神リン
黒神リン
はぁ、そうですか
では、修正するので統計調査表をください
意地の悪い女性社員
意地の悪い女性社員
なっ、なによその反応は!
面白くないわね…
ナレーター
リンは女性社員の予想の斜め上の反応をして、逆に女性社員を困惑させた。
意地の悪い女性社員
意地の悪い女性社員
……これよ
ナレーター
そう言って女性社員は
リンに一枚の紙を渡した。
渡された紙を見て、
リンは思わず眉をひそめる。
黒神リン
黒神リン
うわっ……これデータが間違ってる以前に、
レイアウトとかグチャグチャじゃないですか……
意地の悪い女性社員
意地の悪い女性社員
うるさいわね。
それ、アンタが出したやつだからね!
黒神リン
黒神リン
そうでしたかね?
意地の悪い女性社員
意地の悪い女性社員
そうよ!
ほら、さっさと直しなさいよ!
黒神リン
黒神リン
はいはい、わかりましたよ
ナレーター
リンは呆れたようにそう返事をすると、
PCと向き合って修正作業を始めようとした、
その時だった。
優しい男性社員
優しい男性社員
そんな作業、リンさんがやる必要ないよ
意地の悪い女性社員
意地の悪い女性社員
何よあんた、またそこの新人庇って!
何なのよっ!
ナレーター
一人の男性社員が、
女性社員に立ち向かう形で
言葉を発したのだ。
黒神リン
黒神リン
あ、別にいいですよ、やりますので
優しい男性社員
優しい男性社員
いやいや、
君がこんな作業をする必要性はない
優しい男性社員
優しい男性社員
そもそも、この作業はこの資料を作った
アナタがやるべきだ。
ナレーター
男性社員は女性社員を指差し、そう言った。
意地の悪い女性社員
意地の悪い女性社員
はぁ?
私はそんなグチャグチャな資料、
作ってないわよ!
言いがかりはやめてくれるかしら?
優しい男性社員
優しい男性社員
いいや、言いがかりなんかじゃない。
そもそも、リンさんは
この資料を作る担当じゃない。
そしてこの資料の担当は、
アナタでしたよね?
意地の悪い女性社員
意地の悪い女性社員
……!
う、うるさいわねっ!
もういいわ!
ナレーター
男性社員に言われたことが図星だったのか、
女性社員は慌てた様にそう言って、
自分のデスクへ戻っていった。
優しい男性社員
優しい男性社員
じゃ、この資料は
さっきの社員に渡してくるから、
俺に渡してもらえるかな?
黒神リン
黒神リン
あ、うん。はい
ナレーター
男性社員はリンから資料を貰うと、
先程の女性社員のデスクへと歩いていった。
黒神リン
黒神リン
………
(あの男性社員、やけに優しいな。
何か裏でもあるのかな?
……まぁいいか。依頼を優先しよう)
#1-3へ続く……

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