あれから10年。
私たちはどうなったかって?
流星はもうすぐ30才。
大学卒業して、製薬会社の開発研究者になった。
夢をちゃんと叶えた。
私は28才になる年。
私もちゃんと夢を叶えた。
今は中学校の保健室の先生。
私たちは3年前に結婚した。
私は今、ちゃんと藤井さん。
私のお腹には赤ちゃんがいる。
男の子。
ただ今産休中。
もういつ産まれてもおかしくない。
だから2人っきりのデートをたくさん楽しんでる。
…相変わらず激重だけど。
季節は初夏。
梅雨入り前。
今は流星と手をつないでお散歩デート中。
この激重に助けられてきた。
まっすぐな愛情はあの頃と変わらない。
それがまた心地いい。
木を見上げると、眩しくて手をかざした。
あの時もこんな感じだったのかな。
そう言いながら私の頭をなでる。
流星の笑顔は、少し大人っぽくなった。
でも、私を見つめる目は、あの頃と変わらない。
何年、何十年経っても、こうして2人で手をつないで歩けたらいいな。
…幸せだな。
fin.












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!