シェアハウスに入ってから、さらに数ヶ月たった。
最初は少し距離のあった12人とあなたの下の名前も、
今ではすっかり仲良くなっていた。
朝になれば、誰かがキッチンに立っている。
リビングでは誰かがゲームをしている。
夜になれば、みんなでくだらない話をして笑う。
そんな毎日が、
いつの間にか当たり前になっていた。
──けれど。
この日を境に。
その「当たり前」が、
少しずつ変わっていくことになる。
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・AM 8:00|リビング・
ー ヨンジュンside ー
あなたの下の名前が笑顔で手を振る。
あなたの下の名前が別の場所へ歩いていく。
その背中を、ヨンジュンはなんとなく目で追った。
別に、いつものこと。
あなたの下の名前に「おっぱ」と呼ばれることだって、
今まで何度もあった。
なのに。
今日はなぜか、その一言が頭から離れない。
おっぱ。
そう呼ばれるだけで、こんなに嬉しい。
他の誰かと楽しそうに話していると、
少しだけ気になる。
笑っていると、自分まで嬉しくなる。
そして、自分があなたの下の名前を笑わせられた時は
────もっと嬉しい。
自分の胸に手を当てる。
ドクン、と心臓が鳴った。
そこまで呟いて、口を閉じる。
まだ認めるのは少し怖かった。
だけど。
その気持ちを、
完全に否定することもできなかった。
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・ AM 9:10|キッチン・
ー スビンside ー
トイレから戻ると、
キッチンから楽しそうな声が聞こえる。
いつもは、僕とヨンジュニヒョン、ジェイヒョンで
朝ごはんを作ってるんだけど、
今日は早く起きた3人が朝食作るのを
手伝ってくれている。
しかも、あなたの下の名前が
テヒョンとジェイクに手伝ってって
声をかけてくれたんだよね。
みんなに囲まれて笑っているあなたの下の名前。
スビンはその光景を見ながら、自然と笑っていた。
あなたの下の名前はいつもそうだ。
誰かが困っていれば、すぐに気づく。
誰かが一人でいれば、自然と隣に座る。
自分が疲れていても、
「大丈夫?」
と声をかける。
そんな姿を、何度も見てきた。
そして、ふと思う。
もしあなたの下の名前がこの家にいなかったら。
今みたいな毎日にはなっていなかった気がする。
口から出た言葉に、自分で驚く。
ただの同居人に、こんなことを思うだろうか。
胸の奥が、じんわり熱くなる。
どうやら自分にとってあなたの下の名前は、
もう「ただの同居人」ではないらしい。
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・AM 10:00|リビング・
ー ボムギュside ー
なぜだろう。
ちょっと面白くない。
あなたの下の名前が誰と話そうが自由なのに。
どうしてか、胸の奥がモヤッとする。
あなたの下の名前が首を傾げる。
その姿が不意にも可愛いと思ってしまう。
その瞬間。
胸の中のモヤモヤが、嘘みたいに消えた。
あなたの下の名前が他の人と仲良くしていると寂しい。
自分と一緒にいると嬉しい。
もしかして……
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・AM 10:45|廊下・
ー ヒスンside ー
あなたの下の名前が廊下で一人、何かを片付けていた。
たった、それだけ。
なのに。
胸の奥が、妙に嬉しくなる。
「ありがとう」と言われること。
頼ってもらえること。
自分を信頼してもらえること。
全部が嬉しい。
自然とそんな言葉が出た。
あなたの下の名前の笑顔を見て、
何故か幸せな気持ちになる。
……僕はあなたの下の名前に惚れていたみたい。
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・ PM 12:10|キッチン・
ー ジェイside ー
昼食の準備中。
あなたの下の名前が野菜を切っている。
あなたの下の名前はほぼ毎日と言っていいように、
料理の手伝いをしてくれる。
たまに危なっかしいときもあるけど、あなたの下の名前が
来てくれて今までよりもさらに料理の時間が
楽しくなった。
嬉しそうに笑うあなたの下の名前。
その瞬間、ジェイの手が止まった。
もっと笑ってほしい。
自分が何かをして、その笑顔を見られたら嬉しい。
最近、そんなことばかり考えている。
そこから先のことは、考えるのをやめた。
けれど。
もう、気づいていた。
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・ PM 1:30|庭・
ー ジェイクside ー
午後。
みんなで洗濯物を取り込んでいた。
その時。
あなたの下の名前が足を滑らせる。
反射的に声が出た。
幸い、あなたの下の名前は転ばなかった。
心の底からそう思った。
もし怪我をしていたら。
もしもっと危なかったら。
そう考えるだけで嫌だった。
そこで気づく。
あなたの下の名前は自分にとって、もう特別な存在だった。
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・PM 2:20|リビング・
ー ソヌside ー
少し疲れていた午後。
ソファに座っていると、あなたの下の名前が隣に来た。
他のみんなからは特に何も言われなかったが、
あなたの下の名前だけが声をかけてくれたことに、
ちゃんと見てくれているんだと思って
嬉しくなった。
それ以上、何も聞かない。
ただ隣にいてくれる。
その優しさが、心に残った。
自分でも驚くくらい、素直な気持ちだった。
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・PM 3:25|リビング・
ー ソンフンside ー
みんなが騒いでいる中。
ふと見ると、あなたの下の名前が笑っていた。
誰かと話しているわけじゃない。
ただ、みんなを見て笑っている。
なぜか、その横顔から目が離せない。
あなたの下の名前がいるだけで、この家は明るくなる。
けれど、その「不思議」
の正体はもう分かっていた。
もっと近くにいたい。
もっとあなたの下の名前を見ていたい。
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・PM 7:00|リビング・
ー テヒョンside ー
ヌナに飲み物を渡す。
たったそれだけなのに嬉しい。
最近は、ヌナの笑顔を見るだけで嬉しくなる。
そして昼間。
ヌナが足を滑らせた時。
心臓が止まりそうになった。
もし怪我をしていたら。
そう考えるだけで嫌だった。
そう気づいた瞬間。
胸の奥が、少しだけ温かくなった。
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・PM 7:30|キッチン・
ー ジョンウォンside ー
頼られる。
それだけで嬉しい。
もっと頼ってほしい。
もっと自分を頼りにしてほしい。
もっとヌナの近くにいたい。
そんな気持ちが、いつの間にか大きくなっていた。
そう自覚すると、不思議なくらい納得できた。
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・PM 8:00|リビング・
ー ヒュニンカイside ー
嬉しい。
だけど。
僕がヌナに感じている「大好き」は、
ヌナが思っている「大好き」とは違う。
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・PM 8:40|リビング・
ー ニキside ー
ヌナが笑っている。
自分がくだらないことを言っただけなのに。
その笑顔が嬉しい。
もっと笑ってほしい。
もっと一緒にいたい。
自分の気持ちは、もう誤魔化せなかった。
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・PM 11:30|リビング・
ー no side ー
全員がリビングに集まっていた。
いつものように、くだらない話をして笑っている。
けれど、時計の針が11時半を過ぎた頃。
あなたの下の名前が自分の部屋へ戻っていく。
🚪カチャ。
ドアが閉まった。
───静寂。
12人だけになったリビング。
しばらく誰も喋らない。
そして。
ボムギュが沈黙を破った。
すると。
全員が顔を見合わせる。
その時。
ヒスンの視線が、壁に向いた。
そこには、入居した日から貼られている一枚の紙。
『恋愛禁止。恋愛した場合、即退去。』
全員がヒスンを見る。
空気が変わる。
誰も答えられない。
その時。
全員が壁を見る。
そして、12人が互いを見る。
恋愛は禁止。
だから、告白はできない。
それでも────
この気持ちを諦めるつもりはなかった。
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その頃。
何も知らないあなたの下の名前は、
自分の部屋で布団に入りながら、
なんて、のんびりしていた。
明日の朝。
この家にいる12人の態度が、
変わっていくことも。
このシェアハウスに隠された、
「恋愛禁止」の本当の理由も。
まだ、何も知らない。
疲れた🫠🫠
約4500文字書きました、褒めてください🥺((
いつもより沢山書いたので、ミスがあるかもしれません💦
もしあればご指摘お願いします😖🙏🏻

























編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。