小説更新時間: 2026/03/25 08:36
連載中
透明途上の日記帳

- 青春・学園
- オリジナル
- ありふれた日々の記憶
七月二十五日
今日はサイクリングロードをひたすらに歩いてきた。この季節、虫が多いというのは難点ではあるがあれ程いい道はないだろう。日差しも強くなってきているこの頃、それを遮る木々の中を歩くのは心地がいい。森の中を突っ切るように作られた道で、一時間に何人かとすれ違って多い方、というくらい人は少ない。だから私はあの道が好きだ。姿のない蝉が鳴いている。葉の隙間を縫って陽光が差し込む。足元を夏らしい風が抜ける。きっとあの道は透明なのだろう。音にも光にも風にも、私は触れられない。触れたいと思えば蝉の姿は見えるようになるのだろうか。それすら分からない私の散歩道は、最早完璧な透明とも言えない。透明途上だ。
今日はサイクリングロードをひたすらに歩いてきた。この季節、虫が多いというのは難点ではあるがあれ程いい道はないだろう。日差しも強くなってきているこの頃、それを遮る木々の中を歩くのは心地がいい。森の中を突っ切るように作られた道で、一時間に何人かとすれ違って多い方、というくらい人は少ない。だから私はあの道が好きだ。姿のない蝉が鳴いている。葉の隙間を縫って陽光が差し込む。足元を夏らしい風が抜ける。きっとあの道は透明なのだろう。音にも光にも風にも、私は触れられない。触れたいと思えば蝉の姿は見えるようになるのだろうか。それすら分からない私の散歩道は、最早完璧な透明とも言えない。透明途上だ。
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7,698文字
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