ーおらふくん視点ー
周りを見渡すと、おんりーと同じくらいの小学生が僕をチラチラと見ている。
さっき見た子たちはみんな友達とおもえる子たちと2人か3人で登校している。
そのとき、はっとした表情となったおんりーが僕の目に映った。
おんりーを見る。
さっきとは違って俯いていた。
僕が、おんりーを傷つけてしまった。
無言のまま歩いた。
おんりーの口角は少し上がっていた。
それだけなのに、僕の心はすっと晴れやかになった。
幼児くらいの、子供の声がした。
その子が持っていたサッカーボールが、横断歩道の反対側に転がってしまったようで、反対側の歩道で止まっていた。
その横断歩道は決して長いわけではないけど、交通量が多く、信号もないから、幼い子供が渡るには少し危ないように見えた。
おんりーは、車が通っていない隙を見計らってた。
もう少し‥‥‥今!
おんりーは僕から見ても速い速度で、反対側にわたった。
あの小さな子が、のちに僕たちとおなじように戦うようになるんよな‥‥‥
そう思うと感無量だった。
おんりーはサッカーボールを手に取り、その子に向けて笑った。
純粋なその笑みは、僕の知っているおんりーからはあまり見たことのない、自然な笑顔だった。
僕の横にいる子供がぴょんぴょん跳ねて喜んでいる。
そして、おんりーが照れて、顔を赤らめていた。
無邪気だなぁ‥‥‥。
微笑ましかった。
なんでか僕も嬉しくなった。
ちょっとだけ羨ましかった。
そして、楽しかった。
楽しかった、のに、
このままでよかったのに‥‥‥ッ
キキィッ
一つの車が不自然な動きをして、車線を越えて猛スピードで走っているのが見えた。
歩道にっ!!!!
ドンッ













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。