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第1話

1.最悪な出会い
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2026/06/13 09:26 更新
雨上がりのオフィス街。入社3年目の営業部社員、佐藤悠真は、心の底から今日という日を呪っていた。理由は一つ――新しい直属の上司となった、営業部課長・城崎蓮である。

「佐藤、また書類にミスがあるな。俺の前に出すなら完璧にしてからにしろ。」

低く冷たい声が、背筋を凍らせる。城崎は完璧主義で、自分にも他人にも容赦がない。社内では“ドS課長”と呼ばれ、誰も逆らえない存在だった。悠真にとっては、まさに天敵だ。

(なんで俺が、よりによってこんな奴の下に……!)

その日も、提出した営業報告書に重箱の隅をつつくような指摘をされ、悠真は机を叩きたくなる衝動を必死で抑えていた。城崎は涼しい顔で書類を机に置き、にやりと笑う。

「……ふ、顔に出てるぞ。悔しいか?」

「……っ、別に。」

悠真は歯を食いしばる。城崎の目は、まるで挑発して楽しんでいるかのようだった。ドS課長――その呼び名は伊達じゃない。

だが、その夜。残業を終えて帰ろうとした悠真は、偶然、ビルの非常階段で煙草を吸う城崎の姿を見つけた。月明かりに照らされる横顔は、昼間の冷酷さとは違い、どこか寂しげだ。

悠真は思わず足を止める。

「……何だ、まだいたのか。覗き見か?」

「ち、違います!」

振り向いた城崎の目は、鋭いのに不思議と惹きつけられるものがあった。その瞬間、悠真の胸に小さな違和感が芽生える――嫌悪だけではない、何か別の感情。

それが後に、禁断の恋へと変わることを、まだ悠真は知らない。

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