燈は俯いたまま、家を出た。
夜だった。
行く場所なんてない。
だから、いつもの場所へ向かった。
誰にも見つからない場所。
古い廃棄場。
壊れた機械や、使われなくなった家電が積み重なっている。
燈はその隅に座り込んだ。
その時だった
瓦礫の向こうから小さな電子音が聞こえた
ピッ…ピッ……
燈が近づく
そこに居たのは小さな一体のロボットだった
黒いフード
黒髪
胸元には古びたプレートが付いている
イオ
燈が手を伸ばす
その瞬間_______
「起動システム 開始」
緑色の瞳が、ゆっくりと開いた
にこにこしながらそう答える
この出会いで人生が大きく変わるなんてあの頃の私は思いもしなかった












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。