前の話
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『なぁ、あそこに居る祐樹先輩隣の高校の番長もシメたらしいぞ…』
『まじ?流石あれだよな、「無敵の男」!』
学校の廊下を歩いてる最中そんな声が聞こえた
俺の名前は安藤祐樹。高校3年。皆から見たら俺は「無敵の男」らしい……
ここは俺が通っている『星月高校』
さっきの話に戻るが、俺は「無敵の男」らしい。
祐樹『(今日は来ないか?来ないのか?)』
それは"あいつをのぞいて"の話だ。
??『安藤』
一瞬でも今日は学校来ないかなと思った俺に希望を返して欲しい。
優斗『おはよう』
祐樹『……』
挨拶をしてくる"アイツ"に俺はムカつき反面焦り反面の顔を見せすぐに違う方を向く。
違う方を向いた俺に混乱を隠せないような顔をしている、こいつの名前は五十嵐優斗
俺はこいつのことが……
嫌いだ
そう……あれは3日前……
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路地裏_21:00
祐樹『(母さんこんな時間に買い出しさせるとか……)』
めんどくさい雰囲気を出しながら路地裏を歩く
祐樹『ッ!?』
後ろから誰かわからない人に腕を掴まれる。
何がどうなってるんだ?頭の中の整理がついていない時
ドサッ!という音と同時に路地裏の壁に自分の体を投げ出された。
『なぁ、お前金持ってんだろ?お兄さん達に貸してくれるかな〜?』
スーツを着てるまさにヤクザっぽい人達が俺にせがむ。
それに対して俺は
祐樹『は?お前らふざけ……』
言いかけた時、カチッという嫌な音が聞こえた。
銃だ。
冷や汗がでてきた。これは本格的にやばいぞ。
『なーどうすんだよ?貸してくれねぇとこれ、撃つぞ?』
祐樹『ッ……』
俺はこいつらに負けたくない
今まで全勝の俺のレッテルが汚れるからだ
祐樹『お……俺は……ッ』
いや……相手は銃持ってんだぞ。拳でかかれない卑怯な男相手にしても拉致があかねぇんだ。ここは引くしか……
『おい』
という声が聞こえ、振り返る。
優斗『高校生にカツアゲとか最低ですね。』
『……は?』
初めて見る男が急に現れる。同級生だろうか?
まじめそーなヤツだし、どうせ逃げ出すだろ。そんなことを思っていたが……
そいつはかっこよかった
『ッグハっ!』
『ッなんだこいつッ!?』
そいつは銃を奪って次々にヤクザたちを殴り倒す。
銃をヤクザの方へ向けてそいつはこう言う
優斗『ここまで来てもなにか言えるのか?』
『チッ……クソがッッ!!』
そしてヤクザたちは路地をぬけて逃げていく
祐樹『あ、ありがとな…』
優斗『…俺は五十嵐優斗です。貴方は安藤祐樹ですよね?』
祐樹『は?なんで知って……』
言いかけた時食い気味にこう答える
優斗『じゃあ同い年ですね、よろしく祐樹』
笑顔もキレてる顔も見せずに去っていった。
助かった。けど……
だけど……
だけど……
だけど……!!!
俺はこいつが嫌いになった。
なんでかって?
俺の全勝のレッテルを剥がされたからだ!!
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という理由で俺はコイツ、五十嵐優斗が嫌いなのだ。
優斗『無視しないでくれ』
絶対に反応してやらねぇ……こいつになんか!!
俺はムカつきながら廊下をスタスタ歩く
優斗『そうか……まあ、安藤が俺に助けられた事実はかわらないがな』
と言って俺の後ろをついてくる
祐樹『ッ……!くそがあああ!』
こんなやつ……普通だったら殴んのに!
俺より強ぇし事実だから言い返せねぇんだよ!あー!
ほんとにこいつは嫌いだ!!!!!
1話終
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!