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第50話

番外編4上
1,193
2024/04/24 12:32 更新
キャラ崩壊注意 上下構成


魔法局には、専門分野を担当する局がいくつもある。
その中には、研究を主とする局もあった。
魔法局の人
かっ……完成だ!
ある日、その局の一人が、とある薬品を完成させた。
「記憶が目の前の人物と会う前に戻る」薬である。
誰が得するんだ、という完全に自己満の域のものであるが、研究局にはそんなものを生み出す頭と、変人魂がある者がいるのだ。
魔法局の人
(これは報告しなければ……!)
そう思って、早足になりながらも丁寧に運んでいた時のことだった。
あなた
お昼〜
目の前から、オーターとあなたがやってきた。
挨拶をする余裕はないが、せめてお辞儀だけでもしようと、局員は動いた……その時だった。
魔法局の人
……あ
床で滑って、転んだのだ。
あなた
え?
軽くしか蓋をしていなかったために、簡単に外れる。
溢れた中身は、全てあなた にかかった。
オーター
これは何の薬だ。
まさか毒じゃないだろうな、とオーターは睨む。
魔法局の人
え、えっと……
魔法局の人
「目の前の人に出会う前までに記憶が戻る」薬です。
あなたの目の前に居る相手……と言えば、オーターだ。
つまり、魔法局に来る前の記憶が消える。
オーター
記憶だけか?
魔法局の人
はい……
毒じゃなかった事に安心するが、今でも状況はかなり危うい。
魔法局に来るまでの記憶がない……村を滅ぼしたところで記憶が止まっていて、パニック状態なはずだ。
そんな中で知らない場所……しかも謎に威圧感のあるオーターが居たら、泣かれかねない。
オーター
これはどのくらいで解ける?
魔法局の人
一日です。
厄介な事になる前に、最初のあの状況を作らなねば。
そう思ったが、既に遅かった。
あなた
あ、えっと……その……
周りを見渡している。
オーターの顔を見ると、すぐに叫んだ。
あなた
ごっ、ごめんなさい!
オーターはまだ何もしていない……運ぼうとして近付いただけである。
オーター
何もしませんので……
あなた
わっ、わたしが悪いですぅぅぅううう!
駄目だ、怯えられてまともに話が通じない。
あなたと接する事により、少しは子供に懐かれやすく……なんて思っていたが、ただ単にあなたが懐いただけ、ということが分かる。
オーター
……これをどうにかすることはできるか?
事の発端の局員に声をかける。
魔法局の人
え、っと……
研究しかしていなかったせいで、子供の扱い方は知らない。
だが、オーターよりかは懐かれやすい自信があった。
魔法局の人
この人、怖くないよー!
魔法局の人
めちゃくちゃ優しいよー!
頑張って言うが、明らかに棒読みだったためか全く信用されない。
というか見た目からして絶対怖い、という自信があなたにはあった。
あなた
(殺されるのかな……)
場は硬直状態。
あなたが二人を睨む、という形になっていた。
ライオ
こんな通路のど真ん中で何をしているんだ?
そこで、たまたまライオが通りかかる。
ライオ
大人二人が子供を虐待しているようにしか見えないぞ?
床に座り込んで目を腫らしているあなたを、妙な威圧感を放つオーターが見下ろしている。
確かに、誤解を招きかねない光景だった。
あなた
変なひとがいるんです……
ライオは信用できる、と子供心に思ったのか、オーター達を指差してそういった。
オーター
(変な人……)
ただ単に声を掛けようとしただけで変人扱いである。
今までの態度からの一変に、深いショックを受けた。
ライオは心の中でほんの少ししゅん、としたオーターを笑っている。
ライオ
うんうん、変な人だな。
状況的には、変質者に近い。
ライオ
名前、言えるかな?
オーターよりかは子供の対応に慣れているライオである。
あなたに話しかけた。
あなた
あなた、です。
先程より落ち着いていて、怯える様子もない。
自分よりもライオに懐いているのを見て、落ち込む。
ライオ
この変……お兄さん達のどこか変かな?
あなたは少し悩んでから言う。
適切な言葉を選んでいるようだった。
あなた
めがねの人は目が怖い。
オーター
うっ
あなた
あつがつよい。
オーター
うぐっ
あなた
ころしにきそう……
突然の毒舌に、オーターのメンタルは削られる。
眼鏡のレンズにも、ヒビが入っていた。
オーター
もしかして、普段そう思っていたのか……?
ライオ
全て事実じゃないか?
ライオ
思われていても不思議じゃない。
オーターと一緒にすると、あなたが怯えて仕方ないので、渋々ライオに引き渡す。
再び会ったのは、それから数時間後のことだった。

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