第5話

顕現し胡蝶(3)
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2021/02/26 08:13 更新
『ふふっ…♪
 愛しの妹にそう言って貰えて嬉しい
よ』
 何処か英智さんに似た口調の人が前に歩み出る。
璃央
『お久し振りです。
 アイドル科3-A、あなたの名字璃央りおです』
 優雅に一礼し、客席の私たちへニコリと微笑む。
 女の子は満足げに彼__あなたの名字璃央さんの姿を見届け、再びマイクを構えた。
『続いては我が自慢の弟子!
 あなたの名字璃輔りほです!』
『“自慢”など…畏れ多い事にござい
ます。
 ___皆様、お久し振りです。
 璃央様同様、アイドル科2-B、
あなたの名字璃輔りほです』
 女の子に恐縮するように一礼してから、あなたの名字璃輔くんは無駄の無い所作で私たちにも頭を下げた。
『さてさて、残りの私は___』
璃央
『ちょっと待って?』
 今度は女の子が前に歩み出ようとすると、璃央さんが彼女の手を愛おしそうに取った。
璃央
『僕にも紹介の前振りをさせて欲しい
な…?ね、璃輔』
璃輔
『はい!
 師範に紹介されてばかりでは、
私の面目が立ちません!』
『!………ふふ…♪
 では、お願いしましょうか』
 そう言って彼女は、ステップを踏むかのように
軽やかな足取りで前に出た。
璃央
『任せて♪
 それでは最後に、僕の愛しの妹
です!』
璃輔
『そして私の師範であり、我が
『planet』のリーダー!
 あなたの名字あなたです!』
 2人が手で女の子を示すと、スポットライトの
眩しい光が彼女の姿を顕にした。
あなた
『ひゃあ、眩しい…♪
 皆さん、お久しゅうございます♪
 同じく2-A、『planet』リーダー、
 胡蝶こちょうあなたです!』
一同
ワアァァッ!!
 2人の自己紹介では起こらなかった、爆発的な
歓声が沸き起こる。
 やっぱり、そうだ…!
あんず
私のあなた推しちゃんっ…!!
 神様…私を夢ノ咲学院ここに転校させて下さって本当にありがとうございます。

 ___私の目の前に最推し貴女がいるぅぅっ…!!
あなた
___!
貴女が噂の“プロデューサー様”、
ですね?
あんず
えええ!?はははいっ…!!
 推しに至近距離で、しかも目を合わせてマイクも通さず直接話し掛けられて動揺しまくる私を見てか、我が推し__あなたの名字あなたちゃんはクスリと笑う。
あなた
これから…よろしくお願いします。
___お姉様…♪
北斗
___へ?
 丁度、私の隣の席に座っていた北斗くんが珍しくすっとんきょうな声を出す。
 でも、今の私の脳と心にはその声にさえ反応する余裕も無くて___。
あんず
っ…うえええっ…!?
 思わず絶叫してしまった。
え?ちょ…あんずちゃん?
僕のあなたちゃんとどういう
関係…?
あんず
わっ…かんない…?
というか、真くんのあなたちゃん
じゃない!!
そこ!?
スバル
俺、1度もあなたに“お兄様”って
言われた事ないんだけど………
北斗
俺もだ。
姫__ごほん、あなたとはわりと
長い付き合いなのに………
あなた
『何やら揉めておられますね…?
 私たちからの余所見は許しません
 よ♪』
 あなたちゃんは私たちに向かって、完璧なウインクをする。
一同
はうっ…!!
 尊いぃぃ…、存在自体が尊いよぉぉっ…!

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