前の話
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───みんなは、好きな色ある?
自分はみんなに聞く
「あるよ!」
「僕青!!」
「俺緑だわ」
「私は白しか思い浮かばないなぁ」
「赤、かなぁ…?」
友達がそれぞれの好きな色を答える
みんなの色もいいなぁ、良いよねぇ
「ねね、君は?」
友達の内1人がそう聞く
『自分はピンク色が好きっ!!!』
そう言うと、周りの子達は驚いたように話していた口を止める
『え、…ど、どうしたの…?』
「うっわ笑ザ・女子じゃんw」
『え』
「子供っぽw」
「www」
なんで、そういうこと言うの…?
「正直あの子ぶりっ子だもんね…」「まぁ、そう言う所あるもんね」「気持ち悪……」自分の周りから人が離れていく
『なんで…』
好きな色がピンクで何か悪いの…?
「───ねね!これ買うとしたら何が欲しい?」
そう言って友達が言う
手のひらには 青 水 黄 赤 ___そして、ピンクの髪飾りが乗っていた
「どれも可愛いよね〜」
『え…………』
本当に可愛い
だけど、……
『じゃあ、これにしようかな…』
自分が指をさした髪飾りは水色
「水色好きなの?」
『まぁ、好きと言われれば好きだね』
「好きな色とかないの?」
『ないよ』
嘘
本当は今でもピンクが大好き
「そっか、じゃあ他の子にも聞いてくる!!」
『ばいばい!』
さっきのピンクの髪飾り、可愛かったなぁ…
『…今日も嘘吐いちゃった…』
『まぁこんな自分だからな…』
自己嫌悪
自己卑下
マイナスな想いしか出てこない
『……あ』
ふと、意味もなく見ていたYouTubeのshortで気になる動画が目に留まる
可愛いイラストの動画だった
自分の“好き”を笑われた少女
いつしか自分の好きを隠してしまう
そんなお話
どうしても少女と私を重ねてしまう
───ほらね 君も素敵な色を隠してた!
『っ!』
そのイラストが、その動画が、そのお話が
とてつもなく、私の中で輝いて見えた
学校帰り
昨日友達と話していたお店に入る
(昨日の髪飾り、昨日の髪飾り……)
見つけた!!
そこには、青色の紫陽花の髪飾り
水色のネモフィラの髪飾り
黄色の向日葵の髪飾り
赤色の薔薇の髪飾り
そして───
───ピンク色の桜の髪飾り
『やっぱり可愛い…』
自分は桜の髪飾りを手に取る
どの髪飾りも可愛いけど、その中でもこの髪飾りが1番可愛いと思った
自分はそのまま髪飾りを会計に持っていく
『あ、あの!』
───『これ、ください!』
勇気を振り絞ってそう言う
「はい!」
「…ピンク、好きなんですか?」
店員さんは、昨日自分達の近くに居た店員さんだった
正直、言うのは怖い
大好きなことを否定されるのは、辛くて悲しいから
───でも!!!
『はい!ピンク大好きです!!』
自分を隠している方が、よっぽど辛い
「今の貴方、とても素敵ですよ」
「髪飾りもとってもお似合いです!」
そう言って笑いかけてくれる店員さん
心の奥がじんわりと暖かくなる
嗚呼、嬉しいなぁ…
『ありがとうございます!』
もう、私を隠すのを辞めよう
そう髪飾りを手に包みながら、そう誓った













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。