第10話

いざ…最終選別へ
25
2024/05/26 03:09
あなたside



















姉ちゃんも最終選別に出れるらしい









あなた
嬉しいな…
影代初音
明音と一緒に
最終選別に行けること?
あなた
えっ!











急に初音さんが話しかけてきたから…










びっくりした…









影代初音
ごめんね
驚かせちゃって
あなた
い、いえ!
影代初音
影代初音
あなたに…
影代初音
渡したいものがあるの
あなた
渡したい…もの…?










すると初音さんは











小屋の奥にある棚から











一本の刀と髪留めを持ってきた










影代初音
仮の日輪刀でしかないけど…
あなた
いえ!
ありがたく
使わせてもらいます!
影代初音
そう、笑
影代初音
あと…
影代初音
こっちに来て
あなた
?はい…










シュルッ










あなた
わぁ…
影代初音
ふふっ、笑
影代初音
気に入ってもらえてよかった











初音さんは、私の髪を一つにまとめてくれた










もちろん、初音さんが持ってきてくれた










あの髪留めで









あなた
黒の…髪帯リボン
影代初音
師範がくれたものなの
あなた
えっ!
あなた
そ、そんな大切なもの…










父さんからの…










影代初音
貴女だから…













影代初音
貴女だから貰ってほしいの
あなた
…初音さん……











なんて優しい人なんだろう…










初音さんの眼からは…









優しさの眼差しを感じる









あなた
…ありがたく
あなた
着けさせていただきます…











父さん… 母さん…











そこで見てて…









絶対生き残ってみせるから…











姉ちゃんと一緒に…








明音side











あなたも… もう6才か











明音
子どもの成長って早いなぁ…
天満百光
お前も十分子どもだけどな、笑
明音
あっ!百光さん
天満百光
お前もたくさん成長してるぞ
天満百光
その結果が今だろ?











そうだ…











ここまで頑張って… 頑張って…











ここまで来たんだから








明音
はい!
天満百光
そうだ、そうだ
明音
天満百光
明音に渡したいもんがあるんだよ
明音
渡したいもの?











百光さんは、横にある棚の引き出しから










一本の刀と手のひらくらい大きさの竹笛を持ってきた









天満百光
この刀は
仮の日輪刀だが
まあ、使えると思うぞ
明音
!ありがとうございます











そして百光さんは…










私の手のひらに笛を置き握らせた









明音
あの… これは…?
天満百光
雪さんから貰ったもんだ
明音
え…









母さんから…









明音
そ、そんな!
頂けませんよ!
天満百光
い〜や、貰ってくれ
天満百光
お前に…










天満百光
明音に貰ってほしいんだ
明音











嘘の匂いがしない…










本音…









明音
…ありがとう…ございます
天満百光
おう
天満百光
その代わり…









天満百光
絶対ぇ帰ってこいよな!、笑
明音
明音
はい!、ニコッ









母さん… 父さん…










ちゃんと見てて









私…









絶対二人みたいな隊士になってみせるから…








あなたと共に…









あなたside












明音
それじゃあ、行ってきます
あなた
行ってきます
天満百光
おう!
絶対ぇ帰ってこいよな!、ニカッ
影代初音
気をつけて…
いってらっしゃい、ニコッ




















道中…










あなた
姉ちゃん!
はかま綺麗だね!
明音
そう?
ありがとう、笑
明音
あなたも綺麗だよ!
あなた
!ありがとう!











あなた
絶対…生き残ろうね…
明音
!うん!
小酒姉妹
約束ね!










小酒姉妹
絶対二人で生き残って
二人初音さんと百光さんのところに帰る!










二人だけの… 約束ね









藤襲山ふじかさねやま














ザワザワ ザワザワ ザワザワ









小酒姉妹
人が… たくさん…
明音
頑張ろうね!
あなた!
あなた
うん!
姉ちゃん!










『皆さま 今宵は最終選別に
 集まりくださってありがとうございます』










『この藤襲山には、鬼殺の剣士様方が
 生け捕りにした鬼が閉じ込めてあり
 外に出ることはできません    』










『山のふもとから中腹にかけて
 鬼共が嫌う藤の花が
 一年中狂い咲いているからでございます』










『しかしここから先には
 藤の花は咲いておりませんから
 鬼共がおります、この中で七日間生き抜く』










『それが最終選別の合格条件でございます』










『ではいってらっしゃいませ』








明音
絶対…
あなた
生き残る…









小酒姉妹
必ず二人で





















鬼の急所は頸










しかし、通常の刃物で頸を斬っても殺せない




















シュッ ジャキッ









う"がぁ"…












日輪刀で頸を斬ると骨も残らないのか…










あなた
成仏してください…
あなた
どうか… 来世は…
あなた
鬼になんて…
あなた
なりませんように…












た、助けてッッッ











シュッ










ッッッァァァ











ストッ








明音
大丈夫ですか!
あ、あぁ…
ありがとう、ポロポロッ
あなた
早く逃げて!










獲物だ!
俺の!!
喰い散らかしてやる!
小酒姉妹


















明音
光の呼吸…
明音
壱ノ型…










"閃光せんこう"!!!!








ピカッッッッ ジャギンッ









明音
ふぅ…









ストッ








あなた
ありがとう
姉ちゃん!
明音
このくらい
お安い御用よ、笑
が"あぁ"
明音
あなた










スゥ…








あなた
影の呼吸…
あなた
弐ノ型…











"月影つきかげ"!!!!









シュッ ビチャビチャビチャッ









スタッ









あなた
姉ちゃん!!!
大丈夫!?
明音
うん!
あなたのおかげだよ!
ありがとう!











それからも私たちは、二人で鬼を斬っていった











あなた
ハァ…ハァ…
明音
ハァ…ハァ…ハァ…
小酒姉妹











気づいたら私たちの周りには…











藤の花が咲き乱れていた…










明音
生き…残った…
あなた
わ、私たち…
あなた
生きてる…
小酒姉妹
小酒姉妹
やったぁぁッッ、ポロポロッ
あなた
グスッ
あなた
よかった、ヒッグ
あなた
姉ちゃん…一緒で、ポロポロッ
明音
私もだよ、ポロポロッ










『お帰りなさいませ』











『おめでとうございます
 ご無事で何よりです 』








あっ!この前の!
明音

無事でしたか!、笑
貴女たちのおかげです!
ありがとうございました…
あなた
いえいえ、笑
あの!
あなた
あっ!
あのとき、私のこと助けてくれて…
ありがとうございました…
この恩は一生忘れません、ポロポロッ
明音
泣かないでください
あなた
私たちは
当たり前のことをしただけですから











たくさんの人たちに感謝された









ほとんどの人が生き残れたらしい









『まずは、隊服を支給させていただきます』










『体の寸法すんぼうを測り
 その後は階級を刻ませていただきます』










『階級は十段階ございます』










『 きのえきのとひのえひのとつちのえ
 つちのとかのえかのとみずのえみずのと










『今現在皆様は、一番下の癸でございます』











ここから…











上の階級に…









『皆様には本日中に玉鋼たまはがねを選んでいただき
 刀が出来上がるまで十日から十五日となります』










カァァ
小酒姉妹
!?











これは…












鴉…?












『さらに今からは鎹鴉カスガイガラスをつけさせていただきます』










トッ/肩に鎹鴉がのる









あなた
ニコッ、ヨシヨシッ
カァァ、スリスリッ










明音
これからよろしくね、笑
カァァ、コクッ











『鎹鴉は主に連絡用の鴉でございます』










あなた
連絡用…








明音
任務とかのことかな
コクッ
明音
なるほどね











『ではあちらから刀を造る鋼を
   選んでくださいませ  』










『鬼を滅殺し、己の身を守る刀の鋼は
     御自身で選ぶのです   』










あなた









一つ…










自分の眼にピッタリと止まった鋼を手に取る








あなた
これにする…
明音
じゃあ、私はこれかな











その後、私たちは支給服を貰い山を降りた









今回は…ここまで!
おつこあ!

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